「グッドワイフ」5話感想|3組の離婚問題 複雑な脚本は制作陣の悩みの現れ?

TBS日9ドラマ「グッドワイフ」

2019年1月期のTBS日9ドラマ「グッドワイフ」。

第5話(2019年2月10日放送分)を見た視聴者の感想をお届けします。

また、ネタバレを含むあらすじや、次回の見どころも紹介していきますよ。

「グッドワイフ」第5話のあらすじ

資産20億のロックスター東城数矢(宇崎竜童)の離婚訴訟を巡り、妻のちなみ(銀粉蝶)の代理人として担当することになった杏子(常盤貴子)。数矢は売れない時代を支えてきたちなみと別れ、若い恋人の唯奈(松本まりか)と結婚するつもりだという。

杏子は、財産分与などで11億円を請求するが、数矢の代理人弁護士・栗山美咲(芦名星)は、6千万円が妥当だと主張。法律的根拠も相手側にあり、杏子たちは窮地に追い込まれる。しかも美咲は多田(小泉孝太郎)の元彼女。多田を知り尽くした様子から、交渉も難航する。

そんな中、突然の事故で数矢は意識不明の重体に陥ってしまう。そんな数矢を前にして、妻と愛人は数矢の命と財産を巡り争い始める。
 

一方、杏子の元に東京地検特捜部長の脇坂(吉田鋼太郎)の妻・怜子(峯村リエ)が現れる。脇坂との協議離婚を希望しており、杏子に代理人をお願いしたいとやってきたのだ。

しかも怜子は、壮一郎(唐沢寿明)に関する脇坂の弱みを握っているようで、脇坂は血相を変えて事務所に怒鳴り込んでくる。難題が山積の二つの離婚協議ははたしてどうなっていくのか…?

そして、壮一郎も、自らが逮捕された収賄事件の真相にたどり着きつつあった。遂に事件を画策した人物の正体を突き止めたのだ。その男とは一体…?

引用:ドラマ公式サイト

 

「グッドワイフ」第5話の感想

当サイト読者の方から寄せられた、
「グッドワイフ」第5話の感想をご紹介します。

映画なみの濃厚さ、低迷中の視聴率への影響は?

とにかく、ちょ~難しい~というのが正直な感想。良く言えば濃厚なドラマ、悪く言えば詰め込みすぎ。

去年放映された『コンフィデンスマンJP』や『dele/ディーリー』もそうだったが、最近のTVドラマには、たった一話に映画なみの情報量や展開の多さが組み込まれるケースが多くなってきた。
 

今回『グッド・ワイフ』第5話も1本の映画にも匹敵する内容の濃さだったと言える。ただ、そこに見応えを感じるのは筆者のような物語通や頭の切れる人たちだけであり、普通の視聴者にはだいぶ重く感じられただろう。

僕にしても録画しておかねば、ついていけなかっただろう。時々、静止して事態を整理することなしに話を理解するのは難しかったハズだ。ただでさえ視聴率が低迷中のこのドラマ、今回の複雑さがそこに拍車をかけなければいいが…。
 

富豪ロックスターの二転三転ドラマ

このドラマは、各回エピソードと全回通してのシリーズ・エピソードの両輪で回っている。今回はどちらも複雑であり、その上、各回エピで扱う離婚協議が2つになる。しかも1つ目の主題、富豪ロックスターの協議が二転三転する。

当初、ロックスター、東城は若い唯奈と結婚するため、古女房のちなみと離婚協議に入り、金銭面ですぐに折り合う。が、その後、東城はバイク事故にあい、植物状態に。離婚の慰謝料問題から、安楽死か自然死かの一大医療問題に移る。

それに伴って東城の20億円の総資産の相続問題も浮上し、ちなみと唯奈が対立。さらに東城の体内から睡眠導入剤が検出されたことから、何と殺人未遂事件に発展。杏子たち弁護士は、ちなみの無実を晴らすために策を練ることになる。
 

2つ目の離婚協議と壮一郎逮捕のナゾの全容解明

さらにだ。杏子の元にはもう1つの離婚協議が持ち込まれる。夫・壮一郎の後任になった地検特捜部長・脇坂夫婦が起こした一件である。さらにさらに、壮一郎の逮捕劇のナゾの全容が明かされるのだが、それも複雑な構図だ。

黒幕は内閣官房副長官・南原であり、ある時、自身の何らかの不正に対し特捜部長・壮一郎が隠密捜査をしていることに気づいた。そこで経済特区認定をエサにしてイーデンスという会社を利用し、壮一郎をつぶしにかかる。

イーデンスはトミオカ精工を通して500万円のワイロを壮一郎に振り込んで贈賄を偽装し、彼を逮捕させる。その後、トミオカは計画倒産し、幹部たちはイーデンスの関連会社に再就職。結果、壮一郎以外は全員ハッピーエンドとなる。

飽きさせないよう盛りすぎた脚本

と、こうして列挙しただけで、冒頭に「ちょ~難しい~」と書いた筆者の気持ちが分かってもらえたのではないだろうか。

作り手側は視聴者を一瞬でも飽きさせないよう、次々に情報や展開を繰り出そうとしているようだ。明らかにそれはやり過ぎだ。特に、脇坂夫婦の2つ目の離婚協議はいらない。

これは最終盤に杏子の家に脇坂が盗聴器を仕掛けていたことの伏線になり、そこから壮一郎の保釈が導かれることになる。であれば、単に偶然、杏子が家で盗聴器を見つけたということにしておいても良かったハズである。

脇坂の線をカットしておけば、事件の合間にクッションのように置かれる恋愛やコミカルなドラマを増やせて、話はもっと魅力的になっていただろう。アメリカの原作を元にしているが、これは日本の脚色の問題であるに違いない。
 

ただ、これだけ複雑に多面展開するドラマでありながら、最後にみごと1つにまとまる。それは素晴らしい手腕だった。富豪ロックスターの殺人未遂事件は、ちなみか唯奈か、どちらの犯行かで揺れる。

そこに思わぬ第三者、マネージャーが出てきて真犯人となる。そのために伏線も殺害動機もしっかり設定づけられている。視聴者の意表を突くみごとな犯人のすり替えであった。
 

どたばたマンション、思春期子育てママのあるある

ドラマの主軸にある、杏子と多田(小泉孝太郎)のラブストーリーは最終盤に壮一郎が保釈決定されるまで進まない。ただ、それ以外に見せ場があった。

事件調査のため、子どものいる杏子のマンションに弁護士事務所の同僚の多田、そして若いみちる(水原希子)と朝飛(北村匠海)が押しかけるシーンだ。そこでの子どもたち、兄と妹への杏子の接し方がオモシロい。

みちるの美貌にクラっとなった兄に、杏子は「お目が高いねぇ」とからかう一方、ジャニーズ系の朝飛にデレデレになる妹には、写真撮影の時に距離を置くように注意する。

これは思春期子育てママたちの“あるある”ではないだろうか。息子の恋愛にはテンションが上がるが、娘の方にはどうしても厳しくなってしまう。ここは世のママたちが「そうなんだよね~」と共感する場面だったのではないか。
 

また、みちると朝飛のラブストーリーもあるのだが、言い寄ってくる朝飛への彼女の言い訳が効いていた。

「私、DV夫に追いかけ回されているの」そんなことを言うが、彼女の性格からそれは200%ありえないことから、大きな笑いを誘うものになった。

こういうシーンがもっとあれば、今回の複雑堅固な筋の中でみごとにクッションの役割を果たせていただろう。
 

1つ気になる点がある。黒幕の政治家、南原を落語家の三遊亭円楽が演じていることだ。

ドラマ全体を引っ張ってゆく役柄だけに厳しいのではと思える。それだけの存在感がないと思えるが、今後、もしかすれば化けてくれるのかも知れない。

 

「グッドワイフ」これまでの読者の感想

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