グッドワイフ8話|キャラチェンジした多田は裏切り者なのか?ついに疑惑の核心へ

TBS日9ドラマ「グッドワイフ」

2019年1月期のTBS日9ドラマ「グッドワイフ」。

第8話(2019年3月3日放送分)を見た視聴者の感想をお届けします。

また、ネタバレを含むあらすじや、次回の見どころも紹介していきますよ。

「グッドワイフ」第8話のあらすじ

杏子(常盤貴子)は壮一郎(唐沢寿明)のスキャンダル相手である遠山亜紀(相武紗季)に会いに行くが、亜紀は何も話そうとしない。

そしてついに、壮一郎の裁判が始まる。検察側は賄賂の証拠を揃え、さらに証人にトミオカ精工の社長も呼び、すべて壮一郎の指示だったと証言させる。

検察側の絶対的有利な状況で裁判が進んで行く中、壮一郎は事件の “本当の情報提供者” を見つけることが、事件解決に繋がると杏子たちに説明する。

一方で、脇坂(吉田鋼太郎)が円香(水原希子)に接触。脇坂は木内(丸山智己)と円香に関して何かを掴んでおり、円香を利用しようと画策しているが…。
 

そんな折り、多田が蓮見家を訪ね、壮一郎に、このままでは杏子は壮一郎の裁判に負け、朝飛(北村匠海)との正式採用争いにも破れると言い、ある衝撃的な宣言をする。

杏子は亜紀を調べていく過程で、新聞社時代の上司・上森(松尾貴史)から亜紀の隠された過去を聞き出す。そして、再び亜紀の元へ…

絶体絶命の状況の中、次第にわかってくる真実――

そして、壮一郎たちはついに “本当の情報提供者” にたどり着く… その正体は !?

引用:ドラマ公式サイト

 

「グッドワイフ」第8話の感想

当サイト読者の方から寄せられた、「グッドワイフ」第8話の感想をご紹介します。

ドラマのゴールはどこにあるのか

ドラマは佳境に入り、大いに盛り上がってきた。今回はシリーズ通して初めて各回のエピソードがなく、ドラマの核心部分である大物政治家・南原の不正隠しだけにほぼ絞られている。

その核心エピソードは大いに魅力的なのだが、大いに複雑でもある。基本、3重構造になっていて、それらがだんだん1つに結ばれてゆくのだ。

  1. 主に元地検特捜部長の壮一郎と弁護士の多田がリードする南原のインサイダー取引疑惑の調査
  2. 杏子と元新聞記者・亜紀による、南原が壮一郎落としのために仕組んだ裏工作への追求
  3. パラリーガルのみちると別れたDV夫、そして現特捜部長・脇坂による何らかの裏のつながり

 

これらの核心には南原の不正隠しがある。ドラマのゴールはその確たる証拠を手に入れて南原を落とし、かつ壮一郎の贈賄疑惑が南原の不正隠しのためにでっち上げられたことを証明することにあるだろう。

そのゴールの先には何があるのだろう。今回、壮一郎と亜紀の不倫が捏造されたものだということが発覚した

なので、ゴールテープを切れば、彼と妻の杏子たち家族は再び幸せに暮らせることになるのだろう。
 

キャラ・チェンジした多田

だが、そのハッピーエンドを阻むものがいる。

それは杏子に思いを寄せる多田である。彼はこれまでずっとナイスガイだったが、ここに来て変化を見せた。多田は杏子のキャリアのために、恋敵でもある杏子の夫・壮一郎の裁判弁護を引き受けることになる。
 

そして南原の不正の証拠を手に入れたのだが、それを杏子や多田に渡すことをためらう。それがあれば壮一郎は裁判に勝ち、再び杏子の待つ家に戻ることができるからだ。

そこでいったん彼は杏子に証拠が入手できなかったとウソをつく。だが後日、急に考えを改めて、杏子と壮一郎にそれを渡す。そこで壮一郎の部下・佐々木(滝藤賢一)はその証拠が怪しいと指摘する。

多田が偽の証拠をつかませて、壮一郎に裁判で敗訴させようとしているのではないかということだ。

今回のタイトルは『裏切り者』であり、多田がその1人の可能性であることが最終盤に来て示唆される。彼はずっといい役だっただけに、このキャラ・チェンジは意外、かつおもしろいものになっている。
 

南原の不正、一連の複雑な流れ

難点はリアリティにこだわるあまり、ディテールが複雑になっている点だ。

とにかく、南原のインサイダー取引の件が分かりづらい。彼はIT企業イーデンスの株でインサイダー取引を行い、数億円の儲けを得ている。その筋を整理するとたぶんこういうことになる。

まず南原は担当省庁に圧力をかけて、イーデンスを政府の経済特区企業として認定させる。その上でイーデンスの関連会社の株を大量に買い込む。そして正式認定され、それらの会社の株価が跳ね上がった後に数億円の売却益を得る。

つまり南原は株価が上がるという内部情報を知った上で関連会社の株を買ったことになりインサイダーが成立する。

その証拠となるものは、省庁の決裁文書である。公開されているものは改ざんされたものであり、それ以前の文書が必要になる。そこにイーデンスの特区認定が明記されていれば、南原はそれ以降に株を買ったことになる。

そこで南原のインサイダー取引が立証されるというワケだ。このドラマはこういった複雑な筋が出てくると、分かりやすく図解して示してきた。今回もあるのだが、一連の流れを示すものはなく、整理立てないと把握できない。

これはドラマ全般にも言えることだが、リアルを追求するあまり筋が複雑になりすぎている点があるのだ。
 

涙を誘うこどもの手紙

さらにここに2つのエピソードが絡んでくるので、視聴者は大変だ。

杏子は南原の不正の証拠を握っている元新聞記者・亜紀を追及する。亜紀は自身の娘の難病のために多額のお金が必要になり、そのために南原に協力する。彼の不正疑惑の取材を止め、壮一郎にハニートラップを仕掛けるのだ。

亜紀はかたくなに口を閉ざすが、杏子は亜紀の娘のために真相を語るように迫る。女の情に訴えるこのやり方は定番なのだが、涙を誘う。杏子は回復した娘の手紙を亜紀に渡し、亜紀がそれを開くとおもちゃのビーズが落ちる。

亜紀は仕事に熱中するあまり離婚し、それ以降、娘とは会っていなかった。亜紀と杏子はそのビーズを拾ううちに、こころを通わせる。これは素晴らしい和解の演出である。こどもの純真さが母の心の闇に光を当てたのだ。
 

複雑な筋を分かりやすくする効果的な比喩

もう1つ、すばらしいシーンがある。南原の陰謀により彼の証拠を握る亜紀は何者かによって重症を負わされることになる。

それに激高した壮一郎は南原に会いに行く。そこは少年野球が行われている球場だった。南原は観戦中、この試合の審判のストライクゾーンがずっとおかしいということをもらす。

すると壮一郎がこういったことを言う。

「一度でもボール球をストライクと言ってしまえば、その後も審判はずっとそのボール球をストライクと言わなければならない。南原さん、いい加減、試合を中止したらどうですか」

これは南原の政治汚職に対するすばらしい比喩だ。かんたんに言ってしまえば、1つウソをつくと10も20もウソをつかねばならないということである。複雑な筋でもメタファーにすると分かりやすくなり、とても効果的だ

この壮一郎の言葉に、南原は勝ち試合を中止する人はいませんと軽く受け流す。この悪役ヒールぶりも魅力的だ。
 

3人の裏切り者候補

もう1つの筋、パラリーガルのみちると別れたDV夫、そして脇坂の線もドラマの核心部分に迫っている。

みちるには検察を辞めるに当たって後ろめたい秘密があり、それを脅迫ネタにされて元夫や脇坂から金や情報を要求されている。今回のタイトル“裏切り者”は彼女にも当たるだろう

ドラマの最終盤、壮一郎と杏子は、南原にずっと自分たちの情報を横流ししてきた人物と対峙することになる。陰に隠れて見えないが、おそらくそれはみちるだろう。意外な線なら佐々木、または多田ということも考えられる。

ナイスガイだった多田、壮一郎の忠実な部下だった佐々木、優秀な弁護士スタッフだったみちる。

彼らのうち一体誰が、裏切り者なのだろうか。ドラマがどういう決着を見せるのか。とても楽しみだ。

「グッドワイフ」これまでの読者の感想

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