おんな城主直虎 第45話のあらすじとネタバレ!「魔王のいけにえ」

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──静まり返った広間に、康政の声が響いた。
「まず調べましょう。織田に申し開きをするにも、向こうの挙げた話がまこと根も葉もない嘘であるかどうか。それを調べねば、無実であると出られませぬ」

康政は岡崎に急いだ。調べが進むほど、今回の件が、織田の言いがかりであることが明白になった。瀬名は信康の側室に、2人の女を立てていた。武田の元家臣の娘ではあったが、両家とも今は徳川に下り、忠実な家来となっていた。徳姫に、実家に何かを讒言した様子はない。

織田が信康に、家康と同じ従五位下じゅごいのげの官位を与えたいと言い寄っていたことも分かった。信康を手懐け、織田の手駒にしようとしたのだろうが、それと察した信康は、これをやんわりと辞退していた。

康政「私見ではございますが、それがこたびの言いがかりのきっかけになったのではと…」

康政はそう言うと、報告を締めくくった。

忠勝「取り込めぬなら、いっそということか」

信長への怒りと呪詛を吐き散らすような声で、本多忠勝が言った。
 

信康にふさわしい側室が見つかったという文が瀬名から届き、直虎はほっと胸をなで下ろした。前の文を無視したことが、ずっと引っ掛かっていた。直接会って祝いを述べようと、直虎は岡崎へ出向いた。

再会に喜びの声を上げる瀬名の顔は明るかった。

「15年ぶり、いや、もっとにございましょうか」

瀬名は浮き立つような声で、今日からこちらへ家康が移り、信康が浜松の城に入ることを話した。

瀬名「信康が生まれて以来、岡崎は不安になっておったのです。そこを、信康に本城をお任せしようと殿が言うてくださり」
直虎「信康様は、やはりまごう方なきお跡継ぎであると、内外に示すということか。…よかったのぅ」

瀬名は笑顔で、はい、とうなずいた。そのとき廊下で、乱れた足音と、切迫した声がした。

「榊原殿、何をなされます! 殿、これは!?」

瀬名と顔を見合わせ、直虎は廊下に出た。数人の男に捕らえられた信康の姿があった。浜松城で見たことのある男が、落ち着いた声で告げた。

「武田と内通したるかどにて、信康様を大浜城へ幽閉のうえ、死罪とすることとなった」

ふらりと前に出る瀬名を、直虎は声もなく見ていた。

 
[次回] 第46話「悪女について」あらすじとネタバレ

 

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