鶴丸城では斉彬が薩摩の海防を視察した報告書を斉興に見せていた。そこには薩摩の手ぬるい海防の様子が書かれており、これが幕府に届いたら薩摩はどんな処罰を受けるかわからなかった。
怒り狂った斉興は言い放った。
「おまえに薩摩は任せられん! 久光を藩主名代とする!」
吉之助は迫村からの帰り道で赤山と出くわした。百姓たちやふきのことで思案に暮れる吉之助は、斉彬に会って百姓たちの苦しみを伝えたいと訴える。
吉之助「民を救うっとが薩摩武士の本懐ち心得ておいもす」
そんな吉之助の気持ちに応え、赤山は斉彬が明日薩摩を立つのでその前に意見書を届けるよう励ます。
徹夜で意見書を書き上げた吉之助は斉彬に会うために城下の道を急いだ。迫村を通りかかると平六の家の方から糸が走ってくる。
ふきを糸の家で雇うことができなくなり、ふきが借金のカタに連れさらわれようとしていると言う。
吉之助はどうにかしてふきを助けようとするが、ふきは覚悟を決めている。
ふき「お侍さぁ、もうよかです。わたしが行けば、借金が消えもす…」
そして、ふきは男たちに連れられていった。
その頃、江戸へ向かった斉彬は桜島が望める水上坂で一息ついていた。お供の赤山はなかなか現れない吉之助に気が気でなかった。
斉彬「赤山、誰かを待っておったのだな」
赤山「…実は、お目にかけたか二才がおいもした」
斉彬「来なかったのか」
赤山「はっ。きっと今日も、百姓んために、こん薩摩のどこかを泥まみれになって駆けずり回っておいもんそ」
斉彬「そうか…会っておきたかったな」
平六の家で時間を取られ、吉之助は斉彬に意見書を手渡すことが出来なかった。2人が再び会うまでには、もう少し時間が必要だった。
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