西郷どん第2話のあらすじ「立派なお侍」弱者を助ける優しい男【ネタバレ】

翌日、迫村で早場米の年貢納めが始まり、吉之助は記録係として初めて立ち会った。園田と役人の枡方が平六の年貢米を升で計っている。

納める年貢の量は *定免法で決まっており、平六の年貢は2斗9升だった。山盛りの米を擦り切ると米がこぼれた。吉之助はその米は升に戻すべきと言うが、井之上はこぼれた米はまたぐら米として役人が引き取るものと決まっていると平然と答える。

*定免法じょうめんほう

過去数年間の平均収量を基準にして一定期間の年貢を豊凶に関わらず定額にする徴税法

今年は不作で年貢を納めるのが苦しいのに、こぼれた米まで召し上げられたら百姓の残り分はますます減るばかりだ。

納得のいかない吉之助は家老の調所に直談判するため鶴丸城に向かった。城内に入ると家臣の制止を振り切って調所に百姓の貧苦を訴え、定免法ではなく、採れ高に応じて年貢を決める *検見取にしてほしいと願い出る。

*検見取けみとり

年ごとに田畑の収穫高に応じて年貢量を決める徴税法

吉之助「こんままでは百姓は食うや食わずで死んでしまいもす。百姓が死んだら薩摩そんもんがなくないもす。どうか、お聞き届けやったもんせ! お願いでございもす!」

調所「西郷とやら、何年かに一度、お前のような嘴の黄色い者がやって来る。そげん言うなら、教えてやろう。多少の不浄金が回ろうとも年貢の取り立てがうまくいくなら、そいもお家のためじゃ。薩摩の政を守っための忠義ちゅうこっじゃ。」

吉之助「忠義。…畏れながら、民百姓はお殿様からのお預かりものではごわはんか? …薩摩ん民は、殿様ん大切な子どもでございもす。我等はそん民百姓を大切に守らんにゃないもはん。おいは、そいが民の上に立つもんの忠義じゃち思ちょいもす。」

調所は吉之助の心意気を認め、迫村だけに検見取を許した。吉之助は意気揚々と引き揚げていくが、その後ろ姿を調所は不気味な笑いで見送っていた。

調所「…うまくいくはずはなか」

翌日、吉之助は坪刈りの道具を抱え、糸と共に迫村に向かった。平六の家に着くとすべての田んぼを検見取して余った米を借金の返済にあてればふきは自由になるし、糸の家でふきを雇ってもらえそうだと告げる。ふきは大喜びするが、平六は何故か浮かない表情だった。

吉之助はさっそく田んぼの中央に4本の竿を立て、坪刈りを始めた。そこに集まってきた百姓たちは平六を取り囲み、不安な表情で顔を見合わせる。

吉之助が林の奥に進むと農地が広がっていた。そこにはお上の目を盗んで耕した迫村の隠し田だった。

ここまで年貢の対象になると、定免以上の年貢米を納めなければならない。検見取にするのはやめてほしいと土下座をする百姓たちに吉之助は言葉もなかった。

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