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おんな城主直虎 第48話のあらすじとネタバレ「信長、浜松来たいってよ」

12月3日放送の大河ドラマ「おんな城主 直虎」
第48話「信長、浜松来たいってよ」の詳細なあらすじです。

前回(第47話)はこちら。
おんな城主 直虎 第47話のあらすじ「決戦は高天神」

ネタバレ注意!

おんな城主直虎 第48話「信長、浜松来たいってよ」あらすじ

ついに、念願の駿河を得た…!
徳川家中が歓喜に沸き立ち、夜ごと宴に酔いしれていた。

そんな徳川家が、一瞬で凍りついた。

信長が、安土への帰途、浜松に立ち寄ることになった。織田家の使者が、そう伝えてきたのである。

「われらはいささかの粗相もなく、織田様をおもてなしせねばならぬということじゃ…」

一行が通る道を広げ、休みどころの陣屋を設け、宿舎となる神社を金銀で飾り付け、最上級の食事を用意しと、徳川家は大騒ぎとなった。

そして当日──。
家康をはじめ徳川家中は、城の大広間に平伏して信長を待った。殺気にも似た気配が室内に広がり、上座に置かれた腰掛けが小さく鳴った。

「こたびは駿河・遠江までわざわざお出ましいただき、まことに恐れ入ったる次第でございます」

酒肴しゅこうが次々に運ばれ、庭では相撲の好きな信長のために集めた男たちによる取り組みが続いた。しごく満足した様子で、徳川殿、と信長が声を発した。

信長「道中のもてなし実に見事であった。そなたの真心、信長いたく感じ入った。また、短き間にここまでの用意をするそなたを実に頼もしゅう思う」

家康「…もったいなきお言葉にございます」

数日後、織田家の使者が再び現れ、せんだってのもてなしに対し返礼したい、と伝えてきた。安土や堺などを見物していただく。ついては家康をはじめ、重臣の皆で来るように、というのが信長からの伝言だった。

井伊谷では、小さな変事が起きていた。龍潭寺の井戸端に、小さな男児が1人座り込んでいたのだ。捨て子も迷子も珍しくはない。が、その子はひと言も発しないうえ、肌の色艶や作法から見て、間違いなく武家、それも相当な家の育ちであることが知れた。

何か事情があり、身分のある子なら、ひそかに見守る役がついているのではないか。

そんな直虎の勘が当たった。傑山に探らせ、行き着いたのは、予想もできない武将の存在だった。


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その武将──今川氏真の屋敷に出向き、直虎は正面から疑問をぶつけた。

直虎「井伊にお預けになった子についてお聞きできますか。こちらはその子に無理やり吐かせることも、場合によってはどこぞに引き渡すこともできますが」

氏真は諦めた顔になった。子どもの名は自然じねん。父親は、織田家の重臣・明智光秀だという。

直虎「明智? 何ゆえさような子を井伊に…」

そこからの話を、直虎は信じられない思いで聞いた。光秀は旧知である氏真に、こう持ちかけたのである。

光秀「太守様。ともに信長を殺さぬか」

信長は家康とおもだった家臣を織田領へ招き、皆殺しにするつもりでいると光秀は続けた。氏真は問うた。

氏真「まことの話なおんか、それは」
光秀「まことじゃ。なぜなら、その供応と暗殺を任されおるのは、わしゆえにな。その運びを考えておるうちに、家康を殺すための策を使い、信長を殺すという策を考えついたというわけじゃ」

氏真「…わしに、何を手伝えと」
光秀「この策は徳川がおとりとなって、のこのこと出てきてくれねば成り立たぬ。その橋渡しをお頼みしたい。わが息子を人質に出す。それでどうだ」

あの子が井伊谷に置かれた理由が、それで分かった。
直虎「人目につかず、何も知らずとも子を預かってくれるであろうところは井伊、ということにございますか。…それで、その話に徳川殿は乗ると?」

確たる返答はまだ得ていないと氏真は応えた。
直虎は無言で今川の屋敷を退出した。そして、その足を浜松城に向けた。次第に足運びが速くなった。

家康「…ご存じなのか」

家康がそれだけを聞いた。直虎はうなずいた。

家康「井伊に人質を預けたというのは…?」
直虎「まことにございます。明智はまことやるつもりかと。しかしながら私はこの件、織田に申し出ようかと」

目をむく家康に、直虎は重ねて言った。

直虎「さすれば明智は成敗され、徳川様はとりあえずは無傷、覚えもめでとうなるやもしれませぬ」

家康「いや、しかし、こたびの件のみならず、織田はいつかは徳川を潰そうと考えてはおるわけで──」

直虎「では明智の策に乗り、信長を亡きものにしてしまいたいと? では、そのあとは?」


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信長には跡継ぎもいれば、多くのしたたかな家臣もいる。主が亡きものとなれば、家中での争いが起こることは疑いようがない。織田家が内輪もめをしているとなれば、臣従を誓った諸大名も反旗を翻すに違いなかった。信長が成しかけている天下統一は露と消え、一から乱世のやり直しとなるだろう。

直虎「さようなお方をあやめる代償をいかになさいます?」
家康「ゆえに決めかねておるのではないか! そなたに何ゆえそこまで言われねばならぬ!」

めったにないことに、家康が苛立ちを露わにした。その顔をまっすぐ見据えて、直虎は言った。

直虎「私は徳川様に、織田に取って代わってほしいと望んでおります。いつか、この日の本をまとめる扇の要となっていただきたいと。心ひそかに望んでおります」

家康「…わしはこの世が嫌いじゃ」

家康が、呟くような声で言った。

家康「戦や謀りごとや首や、さようなことばかりで物事を決する…。昨日の味方が今日には敵になるような。一年かけて育てた稲を、一日で焼かれるような」

素直な口調だった。
直虎は黙して聞いた。

家康「誰が望んでかようなことになっておるのかと思う。変えられるものならば、変えたいに決まっておる」

直虎「…戦をなくされたいと?」

家康「戦という手立てがこの世にある限り、喧嘩の強い輩はそこに訴える。ならばあらかじめ戦を起こせぬような仕組みを敷いてしまうがよい。そんなことを思うたりはするが…、できると思うたことは…ないの」

直虎「なれど、やってみねば分かりますまい。私は…さような世を見てみとうございます」

今度は家康が黙って聞いていた。
ゆっくりと立ち上がり、直虎は言った。

直虎「子は預かっておきます。お心がお決まりになりましたら、お知らせくださいませ。…夜分、ご無礼を」

去り際に、直虎はちらりと振り返った。じっと考えに沈む家康は、十も二十も老け込んで見えた。

 

[次回] 第49話「本能寺が変」あらすじとネタバレ

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