おんな城主直虎 第48話のあらすじとネタバレ「信長、浜松来たいってよ」

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信長には跡継ぎもいれば、多くのしたたかな家臣もいる。主が亡きものとなれば、家中での争いが起こることは疑いようがない。織田家が内輪もめをしているとなれば、臣従を誓った諸大名も反旗を翻すに違いなかった。信長が成しかけている天下統一は露と消え、一から乱世のやり直しとなるだろう。

直虎「さようなお方をあやめる代償をいかになさいます?」
家康「ゆえに決めかねておるのではないか! そなたに何ゆえそこまで言われねばならぬ!」

めったにないことに、家康が苛立ちを露わにした。その顔をまっすぐ見据えて、直虎は言った。

直虎「私は徳川様に、織田に取って代わってほしいと望んでおります。いつか、この日の本をまとめる扇の要となっていただきたいと。心ひそかに望んでおります」

家康「…わしはこの世が嫌いじゃ」

家康が、呟くような声で言った。

家康「戦や謀りごとや首や、さようなことばかりで物事を決する…。昨日の味方が今日には敵になるような。一年かけて育てた稲を、一日で焼かれるような」

素直な口調だった。
直虎は黙して聞いた。

家康「誰が望んでかようなことになっておるのかと思う。変えられるものならば、変えたいに決まっておる」

直虎「…戦をなくされたいと?」

家康「戦という手立てがこの世にある限り、喧嘩の強い輩はそこに訴える。ならばあらかじめ戦を起こせぬような仕組みを敷いてしまうがよい。そんなことを思うたりはするが…、できると思うたことは…ないの」

直虎「なれど、やってみねば分かりますまい。私は…さような世を見てみとうございます」

今度は家康が黙って聞いていた。
ゆっくりと立ち上がり、直虎は言った。

直虎「子は預かっておきます。お心がお決まりになりましたら、お知らせくださいませ。…夜分、ご無礼を」

去り際に、直虎はちらりと振り返った。じっと考えに沈む家康は、十も二十も老け込んで見えた。

 

[次回] 第49話「本能寺が変」あらすじとネタバレ

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