おんな城主直虎 第43話のあらすじとネタバレ!「恩賞の彼方に」

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めまぐるしい1日が終わり、万千代は考えに沈んでいた。朝方目にした、家康の寝所での情景が頭に浮かんだ。洗顔を手伝う者、着物を着せる者、髪を整える者、掃除をする者などがおり、割り込む隙はなさそうだった。

ならば、新たな役目を作るとするか。
一計を案じ、用意を整えると、万千代は家康の寝所に向かった。案の定、小五郎たちが邪魔に入った。

小五郎「ならぬ、一小姓が薬を差し上げるなど! もしものことがあればいかがするつもりじゃ!」

笑って受け流すと、万千代は家康に向かって言った。

万千代「ひめはぎの薬湯にございます。疲れが取れ、気が回復すると」
家康「では一つ、煎じてくれ」

火を噴きそうな目をした小五郎たちを部屋から追うと、家康は書類に目を通しながら、万千代がいれた薬湯を毒味もさせずに飲んだ。

家康「薬には明るいのか」

万千代「井伊の寺に詳しい僧がおりましたので。一通りのことは教えてもらい、城に上がる際に少し持たせてくれました。…殿もお薬にはお詳しく?」

家康「さほどでもないが、養生には多少興味があるかのぅ」

万千代は内心で快哉を叫び、家康の様子を観察した。手柄あらための記録を見ては、頭を整理するための覚書を起こしているようだ。よろしければ、と声をかけてみた。

「私が、おおまかに比べたものをお作りしましょうか」

家康がこちらに目を向けた。

万千代「例えば縦にお家の名を並べ、横に首の数など働きを種別に記します。それをざっと見渡せましたら、お考えも進むのではないでしょうか」

家康「…うむ。では、頼む」

翌朝、万千代はみずからの考えを万福に明かした。殿に薬をお出しする役を得たい、という内容だ。

万福「よいのではないですか? おとわ様にお頼みして、井伊谷から薬を取り寄せれば」

問題はそこだ。この間の材木の件ではしてやられた。こたびも薬の調達を申し入れれば、あの尼によって、近藤からの寄進だなどと捻じ曲げられるかもしれぬ。

万福「あ、では方久にじかに頼んでみては」
万千代「それは銭がかかるではないか」

なんとしても、井伊の手柄にしなければならない。ただで薬を巻き上げる方法はないものか…。

それに応えるように、城に顔を出した人物がいた。
「実は井伊のほうから、土砂止めの指図をしてほしいという頼みが来ての」

しかし今は井伊に出向く時がとれない。であれば、絵図にして送ればいい。そう思いついた常慶が、万千代の書画の腕前を思い出し、訪ねてきたのだった。

万千代は踊りだしたい気持ちを堪えつつ叫んだ。

「やります! やりますゆえ、その礼に薬が欲しいと、松下から井伊に願ってもらえませぬか?」

直虎は、松下の義父・源太郎に負い目がある。養生薬を所望していると聞けば、断れないはずだった。

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