成果はすぐに現れた。
近藤から呼び出しがあり、直虎は居館に足を運んだ。
丸太を500、10日のうちに用意せよと徳川から達しがあったことを告げられた。
直虎「それは大層急がねばなりませぬな」
近藤「しかしながら、近藤には切り出しに詳しい者はおらぬ。そなたの知り合いで誰か任せられる者はおらぬか」
直虎「すでに、ご家中におるではないですか。…奥山六左衛門にございます」
近藤「…あ、あの薄のろか?」
武辺と篤実、主従の折り合いがよくないことは六左衛門から聞いていた。直虎はにこりと笑いながら言った。
「井伊が材木の商いをやっておりました折、切り出しから運送、人足の手配まで、すべてを引き受けておりました。役目を任せられてはいかがにございましょう」
あの話は、なしということでな。
家康に言われ、万千代は愕然となった。
家康「あの土地は近藤に安堵したものであるし。ならば、近藤に頼むが筋かと思うてな。頼んだ」
万千代「し、しかし殿! この策は私が考えましたもの! 考えた褒美に、何とぞ初陣を」
家康「戻ったら小姓に引き上げてやるゆえ、こたびは留守居を命ずる。日の本一の留守居、励むがよいぞ」
家康は笑いながら言い、去って行った。
あの腐れ尼じゃ。われ知らず、万千代は呟いていた。
「裏から手を回し、握り潰したに決まっておる…」
今や井伊直虎こそが、最凶最悪の敵となっていた。
[次回] 第42話「長篠に立てる柵」あらすじとネタバレ
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NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」 音楽虎の巻 ニィトラ
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