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おんな城主直虎 第39話のあらすじとネタバレ!「虎松の野望」

おんな城主直虎あらすじ第39話「虎松の野望」

10月1日放送の大河ドラマ「おんな城主 直虎」
第39話「虎松の野望」の詳細なあらすじです。

前回(第38話)はこちら。
おんな城主 直虎 第38話のあらすじ「井伊を共に去りぬ」

ネタバレ注意!

おんな城主直虎 第39話「虎松の野望」あらすじ

天正2(1574)年12月14日。
井伊家は直親(三浦春馬)の13回忌法要を執り行った。

虎松(菅田将暉)は久々に井伊谷を訪れていた。
母のしの(貫地谷しほり)、守役の六左衛門(田中美央)、叔母のなつ(山口紗弥加)、その息子でいとこにあたる亥之助も一緒だ。

法事のあとに、ささやかな宴が開かれた。その席で、直虎(柴咲コウ)はしのから意外なことを聞かされた。

しの「虎松は、徳川様にお仕えしたいと言い出しまして。近習としておそばに上がれるなら、松下家の行く末もめでたいのではないかと」

虎松はまだ前髪を落としていない。それも、いずれふらわしい誰かに烏帽子親になってもらうためだという。

直虎「…しっかりしておるのぅ」
なつ「おとわ様。虎松と亥之助が無事お仕えしましたら、私はこちらへ戻り、髪をおろそうかと」

以前と変わらぬ控えめな口調でなつが言った。
なつ「これよりは、小野の菩提を弔って過ごそうかと」
直虎「よいのか。なつは、それで」
なつ「はい。本望でございます」

なつが見せた穏やかな笑顔から、直虎はこんなことを思った。
政次の弟・玄蕃(井上芳雄)と結ばれて亥之助を産み、夫を亡くしてからは義兄に尽くした。なつがいてくれなかったら、政次(高橋一生)の生はとても寂しいものだったかもしれないと。

虎松は、案内役の直久(冨田佳輔)とともに井伊谷の里を巡っていた。
その豊かな里を目の当たりにした虎松は驚き、見入るばかりだ。

直久「武田に焼かれた折に、ならばいっそと皆が奮い立って、水堀や井戸なども整え直したのです」

広い田畑はよく手入れされており、手習いや綿づくりの作業ができる寄り合い場も設けられていた。人々が着ている服も、質の良い木綿の着物だ。

さらに驚かされたのが、これらを成し遂げたのは領主の近藤ではなく、直虎の手によるものだということだ。
虎松は、驚きと同時に、どす黒い憤怒が込み上げてきた。

「諦めよと言うたくせに…」

そっちにその気がないのなら、この俺がここを取り戻してやる。再び井伊家の領地としてくれる。胸中でそう誓い、虎松はもう一度井伊谷の里の景色を見渡した。


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年が明け、虎松は15歳になった。

その頃、徳川家は拡大した領土を治めるために、浜松と岡崎を拠点としていた。
浜松の城主は家康(阿部サダヲ)。岡崎の城主は嫡男の信康(平埜生成)。信康の母親で井伊を縁のある瀬名(菜々緒)も岡崎城に居を移していた。
虎松はそこに目をつけたのだ。

虎松の養父である松下源太郎(古舘寛治)は徳川家の信任があつい。その弟にあたる常慶(和田正人)が、家康との対面を願い出てくれる段取りをつけたのだ。
そうなれば仕官が認められることは間違いないはずだが、それだと松下虎松として仕えることになってしまう。

虎松は、秘策を講じた。
南渓に頼んで、姪にあたる瀬名に家康宛ての文を託した。

その文には、このような内容を書き連ねた。

私は、まことのことろでは井伊の名でお仕えしたい。それにより家名を回復したい。しかしながら、松下には引き取り育ててもらった大恩もあり、自分からはとても言い出せぬ。
そこでいっそ殿から「井伊と名乗って仕えよ」と命じてはいただけまいか──。

文を読んだ家康は
「…うまいの」
と、苦笑しつつ呟いた。

瀬名を使うとは、15の小童のやり口とはとても思えない。しかも、このわしの口から言わせようとは…。

家康「瀬名はどう言うておった」
和正「殿にお任せするが、できれば虎松の意を汲んでやってほしいとは仰せでした」
家康「少し考える。常慶や忠次の手前もあるしな」

2月の鷹狩りの折に虎松と亥之助に目通りし、両名を家来に取り立ててほしい旨、常慶から申し出があった。この申し出に、家康はすでに許しを出していた。

それにしても虎松とやら、したたかだ。
楽しみでもあるが、小憎らしくもある。
何やらやり返してやりたいものだ…家康はそんなことを考えていた。

しのからの手紙が直虎のもとに届いた。
虎松たちのお目見えの日取りが無事に決まり、2人とも小姓として勤める許しが出たことが書かれていた。

祐椿尼「では急ぎ着物を仕立てねばなりませぬね」

花を生けながら祐椿尼が言った。
家康との初対面という晴れの日に2人が身につける小袖は、直虎と祐椿尼が手ずから縫ってやることに決めていた。

虎松には虎と亀、亥之助には亥と鶴の刺繍を施したお守り袋もそれぞれ送ってやるつもりだ。

「あの子たちの時代が始まっていくのですね」
明るい未来に思いを馳せて、直虎は言った。


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いよいよその日がやってきた。
場所は三方ヶ原の狩り場である。

常慶に促され、虎松と亥之助は家康のそばへ進み出た。
ひざまずき顔を伏せる。

「面を上げよ」

はっ、と声を張り、虎松は顔を上げた。
同時に軽い落胆を覚えた。初めて目の当たりにした家康は、顔も姿も子だぬきそのものだったのだ。

ところがその直後、思わぬ言葉に虎松は舞い上がる思いになった。

家康「わしはの、この者は心の内では井伊として仕えたいと思うておると思うのじゃが。どうじゃ」

虎松は、「はい」と思わず叫んでいた。

虎松「実は心の奥底では、ずっと井伊の家名を再び立てることを夢見ておりました。しかしもはや、半ば諦め」
家康「常慶。この者の気持ちを汲んでやれぬか」
常慶「それは! 松下としては承服いたしかねまする!」

突然の事態に常慶は激憤した。
そんな常慶をなだめながら、家康はさらに驚くべきことを口にした。

家康「虎松、今日よりは万千代と名乗るがよい。亥之助は万福と。千年万年、井伊が続くよう」

家康の幼名、竹千代から『千代』の字が与えられたのは明らかだ。
わが名は万千代…。感激に身を震わせ、虎松改め万千代はその場に平伏した。

虎松「井伊万千代、このご恩は一生忘れませぬ。身命を懸け、お仕えする所存にございます」
 

翌日、万千代は浜松城に登城した。
ところが──。

主殿にずらりと居並ぶ徳川家の重臣に引き合わされ、万千代は一人一人の名を必死で頭にたたき込んだ。鳥居元忠、大久保忠世、本多忠勝、酒井忠次、その他その他…。そして、胸を張って挨拶した。

「井伊直親が一子、井伊万千代と申します。井伊の家名をお許しいただきましたご恩、生涯忘れることなく、徳川のお家に身を粉にしてお仕えする所存にございます! これなる小野万福も同じ覚悟にございます」

すると、榊原康政(尾美としのり)と名乗った武将が言った。

康政「両名に、今日から草履番を申し付ける」

ぞ、草履番?
万千代と顔を見合わせた亥之助改め万福が、悲鳴のような声を上げた。

万千代「お、恐れながら! われらは近習、小姓としてお仕えすると伺っておったのですが」
忠次「それは陰日向となり徳川に尽くしてきた松下家の者としてならばの話じゃ。潰れた家の遺児、しかも、今川の国衆。徳川に含むところあるやもしれぬ家の者を、やすやすと殿のおそばに置けるわけがなかろう」

忠次が言うと、家康がにこやかに引き取った。

家康「どうする? やはり松下でということならば、小姓にすることもできるが…どうじゃ、松下では」

やられた!
子だぬきにはめられた。
悔しさを抑え、精いっぱいの体裁をつけて、万千代は家康の顔を見た。

万千代「それがしは昨日、殿から井伊万千代という名を頂きました。それを翻すは不忠の極み。かくなる上は日の本一の草履番を目指す所存にございます!」
家康「そうか。では、励むがよいぞ」

笑みを消さずに、子だぬきが言った。
万千代の脳裏には、家康を罵倒する言葉が次から次に浮かんだ。奥歯を食いしばり、万千代は「はい」と大音声を返した。

[次回] 第40話「天正の草履番」あらすじとネタバレ

 

 

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