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おんな城主 直虎 第13話のあらすじとネタバレ!「城主はつらいよ」

4月2日放送の大河ドラマ おんな城主 直虎
第13話「城主はつらいよ」の詳細なあらすじです。

ネタバレ注意!

おんな城主 直虎 第13話「城主はつらいよ」あらすじ

「おなごに井伊を任すなど、和尚様お気は確かか!」
小野直之(矢本悠馬)の怒声が響いた。

直之「お家におられたならまだしも、10の頃より寺暮らしのおなご。政ができるとは思えませぬ!」

直虎(柴咲コウ)はむっとした表情になった。
それを見た南渓(小林薫)は、次郎を制するように言った。

南渓「駿府からは、但馬を後見にという話が出ておる。そのほうがよいとお考えか?」

直之は気まずそうな顔で政次(高橋一生)を見ると、押し黙った。
一方、政次の表情は変わらない。

南渓「但馬守はどうじゃ?」
政次「国を治めるのは生半可なことではございませぬ。どこまでの覚悟がおありか。そこがいささか」
直虎「われは、わが父や先代の遺志を継ぎ、井伊を守っていきたいと思うておる」

直虎は力強く言うと、政次を睨めつけた。
政次「ならば、それがしごときが何か申し上げる筋合いではございませぬ。家老として、誠心誠意、直虎様にお仕えいたしまする」
バカ丁寧な口調で言うと、深々と頭を下げた。

直虎は、虎松の後見となった。
つまり井伊谷城の城主となったのだ。

意欲に燃える直虎だが、直之の言うとおり、政務に関しては心もとない。
直虎の心中を察した南渓が、一冊の書物を直虎に手渡した。
直虎「『仮名目録』とは?」
南渓「その昔、今川の先々々代の氏親殿が子に代を譲る際、無用の乱れが起こらぬようにと、国を治めるために作った掟でな。まぁ、読んでみるがよい」

直虎は本を開き、目次を追ってみた。
家臣の統制、財産相続、喧嘩の成敗、金や米の貸借など、細かい内容まで書かれている。

直虎が難しそうだと思ったのは、借米や借銭の項目だ。
次郎として20年近く過ごした寺は、檀家からの寄進で成り立っているからだ。
本腰を入れて読むことにした。

翌日、政次が大量の書類を持って居館を訪れた。
政次「安堵状、検地控え、証文類にございます。まずはお目通しいただいたほうがよろしいかと存じまして」

そういうと、政次と家人の者は大量の書類を置いていった。
これを全部読むのか…直虎はため息をついた。


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ある日、百姓たちが直虎のもとを訪れた。
瀬戸という村の領主に代わって挨拶にきたのだという。
その百姓たちに懇願されて、瀬戸の村に向かった。

瀬戸に着くと、ひどい光景が広がっていた。
田畑は耕されず放棄された荒れ地が広がっていたのだ。
桶狭間の戦いを筆頭に、度重なる戦で働き手がいなくなってしまったのだという。

百姓「そんでもお年貢は納めねばならんで、銭や米を銭主に借りることになりまするで」

百姓は、年貢と銭主への返済の二重の支払いを強いられることになってしまう。
甚兵衛と名乗った案内の老農夫は、いきなり土下座した。

甚兵衛「ご領主様、徳政令をお願いいたします」
徳政令とは、貸借関係の一切を破棄するよう領主が発する貧民救済の法令だ。

甚兵衛「それさえあれば、村は息を吹き返せまする!」
直虎「わかった。すぐに支度をする」

同行している直之は仰天した。
直之「さようなこと、安請け合いなさっては…」
直虎「構わぬ。領主はわれじゃ」

直虎たちが居館に戻ると、六左衛門(田中美央)が血相を変えていた。
六左衛門「このままでは井伊は潰れてしまいます!」

六左衛門が証文の束を見せると、直虎は思わずのけぞった。
六左衛門「どうも、これまでの戦のたびに商人から借り入れをし、支度されていたようで」

書面には、瀬戸方久なる名前が書かれていた。
直虎は驚愕した。
百姓の甚兵衛が口にしていた銭主の名も、同じ瀬戸方久だったからだ。
直虎「井伊も、方久とやらから金を借りておるのか…」

そのとき、客人の知らせが届いた。
家人「瀬戸の方久様とおっしゃるお方にございます」

客人「ご領主様がお代替わりされたと伺い、お祝いに参じましてございます。瀬戸村の方久と申します」
平伏していた客人が顔を上げると、直虎は何かに気付いた。

直虎「…どこかで会うたことはないか?」
方久「ございますよ」

そう言うと、方久(ムロツヨシ)は袂から藁束を取り出した。
方久「はみ出し者同士、仲良くやるまい」

その瞬間、直虎は過去の記憶を思い出した。
井伊谷から失踪した亀之丞(三浦春馬)を探して家を飛び出し、暗い夜道を歩いた。

直虎「お主、あのときの!われを泊めてくれた。なのに、われを突き出した!」
方久「さようにございます」
直虎「そうか、そなたが方久であったか」

方久は、その後のことを語りだした。
おとわを引き渡して手にした褒美で浜名湖の魚を安く買い、干物にして売り捌いた。
干物で儲けた金で、潰れかけた茶屋を買い取って、安く茶を出す店にすると、また繁盛。
茶屋には、どこで戦が始まるという話が入ってくるので、今度は戦場で商売を始めるようになった。

方久「食料や薬を売り、戦が終われば刀剣や鎧を拾って次の合戦で売りさばく」

この男がやっていることは、半ば盗人だ。とはいえこの男には、銭を動かす才覚がある。
方久「私は銭の犬にございます。ワンではなく銭を求めて貫と泣きまする。カンカン!」

直虎は笑うと、身を乗り出して言った。
直虎「早速ひとつ頼みがあるのじゃが。瀬戸村の借金を棒引きにしてやってほしいのじゃ」

あっけにとられる方久だったが、直虎は徳政令の約束の件を明かした。
方久「直虎様というのは、おもしろいお方にございますなぁ」

井伊に貸している銭を、ここで耳をそろえて返してくれるならという条件で、方久は快諾した。
直虎「さようなこと、できるわけがあるまい」
方久「はい。返済は細く長くで結構にございます」

その日の夜、直虎と直之、六左衛門は、井伊家の財政状況を洗い直した。
すると、もはや破綻寸前となっていることがわかった。
方久への返済だけで、30年はかかる見込みだ。

直之「要するに、徳政令を出さねば済む話でござろう」
直虎「なれど、約束してしもうたではないか」
直之「放っておけば、そのうち諦めましょう」


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ところが、翌日になると大きな騒ぎになっていた。
瀬戸村ばかりか、隣村の者たちも加わり、館に詰めかけてきたのだ。

百姓「徳政令が出るなら、わしらんほうもぜひにと、お願いに上がりましたしだいにごぜえます!」
中には、ありがたやと直虎に手を合わせる者までいる。

直虎「その話だが、徳政令は出せぬ。徳政を出せば、井伊家も潰れてしまうのだ」

百姓たちは一瞬静まり返り、恨みと罵りの声を次々に張り上げた。
直虎「とにかく今は出せぬのじゃ!」

翌日から、直虎は各地の農村をお忍びで回った。
田植えの準備をしている百姓の多くは老人と女子供が多い。
直虎「このまま捨て置いてはならぬの…」

何かいい手立てはないものか…
直虎が考えていると、方久の顔が浮かんだ。

方久を家臣とし、瀬戸と祝田を所領として与える。
そうすれば、方久には年貢が入る。
それをもって借財の返済を猶予させる。
百姓たちは当面は年貢だけ納めればよい。

そして、村に新しい商いを起こす。
百姓たちがおのずと返済できるよう、方久に面倒を見させればいい。
「これじゃ…!」

直虎はさっそく方久に話を持ちかけ、南渓の賛同も得た。
そして家臣たちを集めて、評定の場を設けた。

ところが、家臣たちは猛然と反発した。
直之「由緒ある井伊家に、素性も知れぬ商人を加えるなど、亡き父上たちに顔向けできぬ!それがしは、かような家に仕えるのはごめんこうむる!」

六左衛門「瀬戸村は新野の娘ごたちのご所領。祝田はわが妹・しのの所領となっております。妹と直親様の思い出の詰まった土地でもございます!」

そんな話は到底受け入れられないと、2人は席を立った。

政次「では、それがしもこれにて」
冷笑を浮かべ、政次も出ていった。

直虎「ひどい言葉を聞かせてしまったな」
方久「慣れておりますに」

方久は気にする様子はなさそうだ。
方久「村から銭が湧き出るようになってごらんなされ。きっと皆、手のひらを返したように申します。直虎様のおかげじゃ、あの時のご決心があったればこそ、と。あの石頭どもの鼻を明かしてやりましょうぞ」

2人は再び意気投合したかと思われた。
その時、方久の従者が焦った顔で告げた。

従者「瀬戸村と祝田村の百姓らが、徳政令を出すよう、今川に願い出たようです!」

直虎の顔から、あっという間に血の気が引いていった。

[次回] 第14回のあらすじとネタバレ!「徳政令の行方」

 

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