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おんな城主 直虎 第10話のあらすじとネタバレ!「走れ竜宮小僧」

3月12日放送の大河ドラマ おんな城主 直虎
第10話「走れ竜宮小僧」の詳細なあらすじです。

ネタバレ注意!

おんな城主 直虎 第10話「走れ竜宮小僧」あらすじ

小野政次(高橋一生)が受けた腕の傷は、大事には至らなかった。
話を聞いた次郎(柴咲コウ)は、直親(三浦春馬)に正直に話すよう進言した。

それは無理だと、政次は口を開いた。
政次「小野は、あいつの父を奪ったことになったのだぞ。
いくらなんでも許すと思うか」

次郎は何かを思いつき、政次を見据えて言った。
次郎「しばしここに隠れておれ。
この件は、われがなんとかする。
…これは竜宮小僧の務めじゃ」

騒ぎは井伊家中に広がっている。

「仇を討ってくださいませ!」
直親の妻・しの(貫地谷しほり)が叫んだ。

「怪我をしている者を襲うなど卑怯千万にございまする!」
孫一郎(平山祐介)が言った。

孫一郎「奥山家としては、小野を討つ所存にございます」

あらためて井伊家の家臣たちが一堂に会した。
井伊直親と、中野直由(筧利夫)、新野左馬助(苅谷俊介)、奥山孫一郎(平山祐介)だけだ。

左馬助が、なぜ政次は奥山殿(でんでん)を襲ったのかと尋ねた。
孫一郎「父は但馬の乗っ取りを疑っておりました。
諭しているうちに討たれたに違いありませぬ」
と、孫一郎が答える。

直由が続ける。
中野直由「逃げたということが但馬が討ったという何よりの証しにござろう。小野は言わずと知れた獅子身中の虫。今川が倒れた今こそ、成敗のときにござる!」

そこに、小野の名代がやってきたという知らせが届いた。
現れたのは、直盛(杉本哲太)の没後出家し、尼僧・祐椿尼(ゆうちんに)となった千賀(財前直見)と、祐椿尼に付き添われて座っている、小野玄蕃の妻・なつ(山口紗弥加)だ。

その姿を見た、兄の孫一郎がいきり立った。
孫一郎「父上が殺されたのじゃぞ!
それを小野の名代とは…」

なつは目を伏せたまま語りだした。
なつ「事の起こりは、私が小野から戻りたくないと、わがままを申し上げたことにございます」

なつ「亡き殿は玄蕃様(井上芳雄)と私に、井伊の者たちをつなぐ懸け橋になってほしいと仰せでした。そのお役目を、玄蕃様亡きあとも継いでいきたいと思うております」


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祐椿尼が続けた。
「皆さまにはどうか、亥之助のこともお考えいただきとう存じます」

一同がハッとした顔になった。
奥山が小野を討ったら、父の家と母の家が殺し合うことになってしまう…。

孫一郎「しかし、小野が父を殺したは事実。なんの咎めもなしというはあまりにも!」
孫一郎がそう主張したが、直親が静かに語り始めた。

直親「但馬は刀を抜いておりませぬ。
舅殿が刺されておったは、おのが脇差しでございました」
「抜いたのは、脚の悪い奥山殿ということでございますか」

茫然となる左馬助に、直親が頷いた。
直親「但馬は身を守るために仕方なく刺してしまったのだと思います。
…義理の父の仇を討てぬのは口惜しい限りでございますが、これを咎めることもまたできぬと、それがしは存じまする」

この一件は落着した。

直親は直感の赴くまま龍潭寺に向かった。
思った通り、涸れ井戸のそばに政次がいた。

直親「やはり、ここか」
政次「なつから聞きました。
それがしの庇い立てをしてくださったそうで…
かたじけのうございます」

直親「俺は信じたぞ、鶴」
直親「これで、検地のときの借りは返したからな」
政次「亀、義父上をすまなかった」
直親「…俺だってああする」

少ない言葉を交わすと、直親は龍潭寺を後にした。

次郎は裏で動いていた。
政次が朝利(でんでん)の供養のために写経を始めたという噂を流した。

一方で、政次には写経をするよう勧めた。
次郎「どうも奥山殿が成仏されておらぬようなのじゃ。昨夜、獲物を探すように本堂をうろついておられた」

政次は戦慄し、次郎の勧めに従った。
その様子を知った井伊家の皆は、政次も心を入れ替えたのだと思うようになっていった。
事件の遺恨は、徐々に薄らいでいった。

永禄4(1561)年2月、直親としのの子が誕生した。
待ちに待った井伊家の跡取りとなる男児だ。

お披露目の宴席が開かれ、井伊の居館には久々に歓喜と笑顔が満ちあふれた。

直平(前田吟)は赤子を抱いて叫んだ。
直平「お前の名は虎松じゃ!
勇ましいよい名であろう!」

直親「虎は子を大切にするそうにございます。
私も、虎松もまた、さような親であれかしと思うております」
直親がそう言うと、大きな喝采を浴びた。

宴席には政次も顔を出した。
祝いの品として、とある覚書を持参した。
亡父の政直(吹越満)が、今川の下知という形で直親の亡父・直満(宇梶剛士)から奪い取った、井伊家の所領に関する覚書だ。

直平「これをすべて虎松に返上すると申すのか」
直平は仰天した様子だが、政次は冷静に返した。

政次「はい。天文13年の井伊に戻したく存じます」
直満が討たれ、政直の謀略が疑われた年のことだ。

亀と鶴だったあの頃の関係に戻りたい。
信義と友情を取り戻したい。
直親は、そんな意志を感じ取った。
直親「心得たぞ。以後もよろしく頼む」


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龍潭寺で、とある出来事が起こっていた。

嫡男誕生の知らせを聞いた次郎が、井戸に向かって手を合わせていた。
すると、いつもと違う気配を感じた。
まさか!と思い、井戸に石を落としてみると、水音がした。
涸れていた井戸に水が湧き出したのだ。

次郎は喜んで躍り上がった。
次郎「ご初代様が虎松の誕生を祝ってくださっているのだ!
虎松はきっと井伊をよみがえらせる男になるのじゃ!」

一方、駿府の今川家は、緊迫した空気がみなぎっていた。
「桶狭間の戦い」の後、三河の岡崎城を守っていたはずの松平元康(阿部サダヲ)が反旗を翻し、今川方の城に襲いかかったのである。

「裏ではすでに織田と手を結び、こたびの謀反と相成った様子にございまする!」

三河の国衆らは次々と松平側に寝返り、永禄5(1562)年1月には、元康と織田信長の間に同盟が締結された。
激怒した今川氏真(尾上松也)は、松平方に味方した国衆の妻子を捕らえ、処刑を行なった。

松平元康の妻・瀬名(菜々緒)と2人の子はまだ今川家に残っている。
瀬名たちに命の危険が迫っていた。

今川と松平の戦に、井伊家は様子見を決め込んでいた。
1年経っても、瀬名たちに関してなんの音沙汰もない状態が続いていた。

次郎は南渓和尚(小林薫)に訴えた。
次郎「和尚様は心配ではないのですか!
また佐名おば上(花總まり)を見捨てるのですか!」

南渓「そんなこたぁお前に言われずとも分かっとる!」

南渓の迫力に、次郎は身をもんだ。
瀬名は、たった1人のおなごの友だ。
何かいい手はないか考えた。

そうだ!
何かを思いついた次郎は、旅装を整えて寺を後にした。

次郎が目にした駿府は、最悪の状況だった。

以前、力を貸してくれた寿桂尼(浅丘ルリ子)を訪ねたが、簡単にあしらわれてしまった。
寿桂尼「瀬名のことは聞き入れぬ。去(い)ね」

これまでに瀬名が送ってきた手紙を差し出し、次郎は平伏して頼み込んだ。
次郎「お目通しください。
今川への忠義に満ちあふれた文にございます!
夫はどうあれ、瀬名様は今川を心から思っておいでです。
どうか!」

寿桂尼は少し考えた。
と、そこへ急な知らせが届いた。
「上ノ郷城が松平の手に落ち、城主の鵜殿長照様は自害して果てられたとのこと!」

寿桂尼「長照はわが孫じゃ。
…そなたもせっかく来たことじゃ。瀬名に引導を渡して帰れ」

次郎は、館の奥の一室に投げ込まれた。
「…そなたは…おとわ…次郎、様?」
そこにいたのは、母になった瀬名だった。

次郎は、瀬名の手を取って語りかけた。
次郎「瀬名様、命乞いに来たのじゃ」
瀬名「私のために、来てくださる方がおるなど…」

みるみる涙が溢れた。
その瞬間、がらりと襖が開いた。
「松平のお方様」
と声を掛けられた。

「明日、龍泉寺にて、ご自害いただくことと相成りました」

瀬名は、そう言い残して去ろうとする後ろ姿を追い、襖に手をかけて叫んだ。
「お待ちくだされ!
竹千代と亀姫だけはどうか。
どうか、お慈悲を!」

容赦なく瀬名の手が振り払われると、襖が閉じた。

泣き崩れる友の後ろ姿を、次郎は茫然と見つめることしかできなかった。

[次回] 第11回のあらすじとネタバレ!「さらば愛しき人よ」