大河ドラマ「西郷どん」第2話「立派なお侍」が1月14日に放送されます。
林真理子の原作小説を基にしたドラマ「西郷どん」の第2話のネタバレ含むあらすじを予想します。
ネタバレ注意!
西郷どん第2話 原作のあらすじとネタバレ
弘化3(1846)年秋。
小吉は18歳になり、元服して
郡方は藩内の村を巡回して村役人を監督し、生産を励まし、年貢を取り立てる奉行職。書役助はその郡方の配下の書記係の補助役。
この日は上役の井之上について迫村の田んぼの様子を見て歩いていた。今年は盆過ぎからの長雨と冷夏のせいで米の出来は最悪で、とても例年通りの年貢の取り立ては難しそうだった。
そこへ庄屋の園田が *名頭の伝右衛門を連れてやってくる。2人は井之上に「今年もひとつよしなにお願いします」と高菜の載ったざるを差し出す。井之上は高菜の下の銅銭をちらりと見て懐にしまった。吉之助がそれに気付いて何か言いかけるが、逆に睨まれてしまう。
薩摩藩の土地制度である
突然、迫村の平六の家から娘のふきが悲鳴を上げて飛び出してきた。平六はふきをカタに借金をしていたが、期限までに返すことができず、借金取りの男たちに連れさらわれるところだった。
吉之助はふきを助けようと懐の財布を手渡すが、中には一文銭が四枚しか入っていなかった。とても借金に見合う額ではなく、男たちは「こげなはした金、ふざくんな」と騒ぎ立てる。
すると吉之助は井之上が懐にした賄賂の銭を掴み出して「こいでどげんか」と男たちに差し出し、その場を収めてしまった。
吉之助が家に戻ると家族が嬉しそうに出迎えた。今日は城から手当てが出る日だったのだ。だが、手当てはふきのためにすべて使ってしまっており、一銭もなかった。満佐は「また、人助け…」と溜め息をつく。琴にも「兄さぁ、家のもんのこっも考えてたもんせ」と言われ、吉之助は手をついて謝るしかなかった。
だが、吉兵衛は叱り飛ばす。
吉兵衛「ばかたいが! こん幼か弟や妹たちを見らんか! わいが手当てを貰うてきたら、腹いっぱい飯が食えるち、腹をすかせて待っちょったたっど。そいをわいは!」
西郷家は三男の信吾が生まれ、ますます生活は苦しく、吉兵衛と吉之助の稼ぎだけでは追いつかなかった。吉之助も家の事情はよく分かっていたが、困っている人や弱い者を見るとつい助けてしまうのだった。
久しぶりに江戸から帰国した斉彬が赤山を従えて磯の別宅にやってきた。座敷には斉興と家老の
赤山が砲術訓練にかかる経費の試算を斉興の前に置く。藩士が2千人も参加する大掛かりな訓練に、調所は反対した。
調所「こげな大仕掛けな砲術訓練など、とんでもなかこっでございもす。莫大な金を要しますゆえ、お家の台所が再び、火の車ちないもす」
斉興「そん通りじゃ。先々代の500万両の借金、こん調所広郷の大働きにより、ようやく目途がたったとじゃ」
斉興は訓練を認める様子はない。気まずい雰囲気に赤山はハラハラしている。
斉彬「父上、のんびりしているうちに薩摩は、日本は、清国のように異国に乗っ取られてしまいますぞ!」
こう言い捨てると、斉彬は出ていった。
正助が城に上がって *記録所書役助に仕えることになった。
藩の文書を取り扱う記録所の補佐係
西郷家で就任祝いが行なわれ、正助の父・次右衛門や母・福をはじめ郷中の仲間たちが顔をそろえる。そこへ赤山が鯛を持ってやってきた。
お供の下女が祝いの酒を正助に差し出す。その親しげな笑顔に、正助は訝しがる。
正助「あ…あの…どこかでお会いしもしたか」
男の子のふりをして妙円寺詣りに加わった、糸だった。学問がしたいということで、赤山の家で下働きをしていたのだ。正助は向学心があり、気立てのいい糸が気に入った。
酒もまわり、話題は薩摩藩の将来になった。吉之助は重い年貢に苦しむ百姓たちを憂い、斉彬様が藩主になれば、民百姓の苦しみをわかって下さるはずだ、と言い、斉彬を担ぎ上げてはどうかと提案した。
正助「…今や500万両もの借金を返済してお家の財政を立て直した調所様んご威光は絶大じゃ。そん調所様が嫌うちょっ斉彬様をいま担ぐっとは危うすぎっど」
吉之助は反論しようとするが、酔った郷中の仲間たちが好き勝手に騒ぎ出した。
「殿は調所様の言いなりじゃっで」
「お側女のお由羅様にもの」
「畏れ多くも薩摩のおんあるじじゃっど。女の言いなりになっはずがなか」
祝いの宴は乱闘になってしまった。
翌日、迫村で早場米の年貢納めが始まり、吉之助は記録係として初めて立ち会った。園田と役人の枡方が平六の年貢米を升で計っている。
納める年貢の量は *定免法で決まっており、平六の年貢は2斗9升だった。山盛りの米を擦り切ると米がこぼれた。吉之助はその米は升に戻すべきと言うが、井之上はこぼれた米はまたぐら米として役人が引き取るものと決まっていると平然と答える。
過去数年間の平均収量を基準にして一定期間の年貢を豊凶に関わらず定額にする徴税法
今年は不作で年貢を納めるのが苦しいのに、こぼれた米まで召し上げられたら百姓の残り分はますます減るばかりだ。
納得のいかない吉之助は家老の調所に直談判するため鶴丸城に向かった。城内に入ると家臣の制止を振り切って調所に百姓の貧苦を訴え、定免法ではなく、採れ高に応じて年貢を決める *検見取にしてほしいと願い出る。
年ごとに田畑の収穫高に応じて年貢量を決める徴税法
吉之助「こんままでは百姓は食うや食わずで死んでしまいもす。百姓が死んだら薩摩そんもんがなくないもす。どうか、お聞き届けやったもんせ! お願いでございもす!」
調所「西郷とやら、何年かに一度、お前のような嘴の黄色い者がやって来る。そげん言うなら、教えてやろう。多少の不浄金が回ろうとも年貢の取り立てがうまくいくなら、そいもお家のためじゃ。薩摩の政を守っための忠義ちゅうこっじゃ。」
吉之助「忠義。…畏れながら、民百姓はお殿様からのお預かりものではごわはんか? …薩摩ん民は、殿様ん大切な子どもでございもす。我等はそん民百姓を大切に守らんにゃないもはん。おいは、そいが民の上に立つもんの忠義じゃち思ちょいもす。」
調所は吉之助の心意気を認め、迫村だけに検見取を許した。吉之助は意気揚々と引き揚げていくが、その後ろ姿を調所は不気味な笑いで見送っていた。
調所「…うまくいくはずはなか」
翌日、吉之助は坪刈りの道具を抱え、糸と共に迫村に向かった。平六の家に着くとすべての田んぼを検見取して余った米を借金の返済にあてればふきは自由になるし、糸の家でふきを雇ってもらえそうだと告げる。ふきは大喜びするが、平六は何故か浮かない表情だった。
吉之助はさっそく田んぼの中央に4本の竿を立て、坪刈りを始めた。そこに集まってきた百姓たちは平六を取り囲み、不安な表情で顔を見合わせる。
吉之助が林の奥に進むと農地が広がっていた。そこにはお上の目を盗んで耕した迫村の隠し田だった。
ここまで年貢の対象になると、定免以上の年貢米を納めなければならない。検見取にするのはやめてほしいと土下座をする百姓たちに吉之助は言葉もなかった。
鶴丸城では斉彬が薩摩の海防を視察した報告書を斉興に見せていた。そこには薩摩の手ぬるい海防の様子が書かれており、これが幕府に届いたら薩摩はどんな処罰を受けるかわからなかった。
怒り狂った斉興は言い放った。
「おまえに薩摩は任せられん! 久光を藩主名代とする!」
吉之助は迫村からの帰り道で赤山と出くわした。百姓たちやふきのことで思案に暮れる吉之助は、斉彬に会って百姓たちの苦しみを伝えたいと訴える。
吉之助「民を救うっとが薩摩武士の本懐ち心得ておいもす」
そんな吉之助の気持ちに応え、赤山は斉彬が明日薩摩を立つのでその前に意見書を届けるよう励ます。
徹夜で意見書を書き上げた吉之助は斉彬に会うために城下の道を急いだ。迫村を通りかかると平六の家の方から糸が走ってくる。
ふきを糸の家で雇うことができなくなり、ふきが借金のカタに連れさらわれようとしていると言う。
吉之助はどうにかしてふきを助けようとするが、ふきは覚悟を決めている。
ふき「お侍さぁ、もうよかです。わたしが行けば、借金が消えもす…」
そして、ふきは男たちに連れられていった。
その頃、江戸へ向かった斉彬は桜島が望める水上坂で一息ついていた。お供の赤山はなかなか現れない吉之助に気が気でなかった。
斉彬「赤山、誰かを待っておったのだな」
赤山「…実は、お目にかけたか二才がおいもした」
斉彬「来なかったのか」
赤山「はっ。きっと今日も、百姓んために、こん薩摩のどこかを泥まみれになって駆けずり回っておいもんそ」
斉彬「そうか…会っておきたかったな」
平六の家で時間を取られ、吉之助は斉彬に意見書を手渡すことが出来なかった。2人が再び会うまでには、もう少し時間が必要だった。