おんな城主直虎 第30話のあらすじとネタバレ!「潰されざる者」

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「何ゆえ、また徳政をと」
重苦しい空気の中、六左衛門(田中未央)が言った。

直虎「詳しいことは分からぬが、今川がまた井伊を潰しにかかっておるのは確かじゃ」
政次「戦を控え、三河との境目ともなるこの地を、信のおけぬ井伊に守らせるのは危うい。そう大方様がご判断なされたのでございます」

政次は淡々と続けた。

政次「こたび徳政をはねつければ、力に訴えられましょう。かような形でのお取り潰しは、むしろ今川の温情かと」
直之「勝手なことをほざくな。銭で潰れたなど、末代までの恥さらしじゃ!」

歯向かう直之(矢本悠馬)を、直虎は押しとどめた。
直虎「よせ。この男はただの犬じゃ」

政次が、今川家に忠実な目付の仮面をかぶり、実は盾となって井伊を守ろうとしていることは、今さら誰にも打ち明けることはできない。
しかしその政次の正体を、寿桂尼(浅丘ルリ子)が見抜いていたのだとしたら…。

直虎は一人になり、考えに耽った。

思い切った策に出なければ。
例えば徳川家が攻めてきたとき、立ち向かうと見せかけ、関口の首を差し出すなどどうか。いったんは徳政を受け入れたとしても、徳川の下で、井伊はよみがえる…。

すっかり夕方になった頃、直之が声を掛けてきた。
「瀬戸・祝田の百姓たちが、関口様の寝所に押しかけようとしておるようにございます!」

関口たち一行の宿所となっている神社の前には、異様な光景が広がっていた。
何十人もの百姓たちが座り込んでいるのだ。

百姓「今川様にお願い申し上げまするに! わしらん瀬戸・祝田の百姓衆らは徳政を望まんに!」

百姓の一人がそう叫ぶと、一同が声をそろえた。
「徳政を望まんに!」

「うるさいぞ! うぬら、ここで何をしておる!」
関口の手の者が、百姓を立ち上がらせると殴り倒した。
しかし、その間も、徳政を望まんに! の声は続いた。

直虎が駆けつけ、この光景を見た時、政次とその家人たちは遠巻きに見ていた。
直虎「但馬、ここで何をしておる」

直虎が近付いて声を掛けると、政次は素早い動きを見せた。
直虎を羽交い締めにすると、脇差を抜き、切っ先を首に突きつけてきたのだ。

直之「殿!」

刀に手を掛ける直之も、政次の家人に取り囲まれた。
直虎はもがいて振りほどこうとするが、背後から政次が語りかけた。

「俺を信じろ。信じろ、おとわ」

小さく鋭い声でそう言うと、襟首を掴まれた。
そして、刀を突きつけたまま歩き出した。

 
[次回] 第31話のあらすじとネタバレ!「虎松の首」
 

 
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