5月14日放送の大河ドラマ おんな城主 直虎
第19話「罪と罰」の詳細なあらすじです。
前回(第18話)はこちら。
第18話のあらすじ「あるいは裏切りという名の鶴」
ネタバレ注意!
おんな城主 直虎 第19話「罪と罰」あらすじ
冬を迎えたある日、事件が起きた。
目付の近藤康用(橋本じゅん)が直虎(柴咲コウ)に話を持ち込んだ。
近藤康用「井伊領内の者が我が領内に勝手に立ち入り、山の木を切り倒したとの訴えがござりました。つきましては、盗人をお引き渡しいただきたく存ずる」
近藤は、盗人の正体は井伊に新しくやって来た百姓たちだと決めつけていた。
直虎は彼らに信頼を寄せており、近藤と真っ向から対立した。
被害にあった現地を見に行こうという話になり、両家の者たちを引き連れて山に分け入った。
すると、近藤の所領だけではなく、隣接する井伊家の所領も木が切り倒されており、切り株だらけになっていたのだ。
直虎「井伊の側も同じような目に遭っておるではないか!」
近藤「慌てて細工したのではございませぬか。井伊の者ではないと見せかけるために昨夜急いで…」
直虎「一晩でかように木を切り倒すなど、仏の念力をもってもできぬわ!」
険悪な空気になりかけたが、六左衛門(田中美央)が間に入り、とにかく盗人を捕らえようと提案した。
3日後、直虎や傑山たちは様子を確かめるために山に入った。
不穏な空気に直之(矢本悠馬)が気が付き、
「参るぞ、皆の者!」
と言って走り出す。
近藤の者たちも加わって、逃げ出す男たちを追った。
直之たちが木陰に潜む人影に襲いかかると、見事に男たちを捕らえた。
捕まった者の顔を見た直虎は茫然となった。
そこには、何度も出会った旅の男(柳楽優弥)の姿があったのだ。
直虎「そなた…」
龍雲丸「お、これは尼小僧様ではないか」
近藤が駆け寄ると、すぐに斬り捨てようとした。
直虎「お待ちくだされ! この男を捕らえたはこちら。処分は井伊にていたしたく存じます!」
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男たちの処分をめぐり、井伊家の中で紛糾した。
直虎「あの男には、2度ほど知恵を出してもらったことがある。むげにはできぬ者じゃ」
直之「盗人は死罪、これが当節の習いにござる。しかも井伊のご先祖様が戦い、血を流し、命を懸け守り通した大事な山の木が盗まれたのでございますぞ!」
困った直虎は、政次(高橋一生)の名前を出すことで、その場逃れを考えた。
直虎「但馬の裁定を仰がねば、あとで何を言われるか分かったものではあるまいし」
政次は駿府に出向いている。
政次の帰りを待って、この件を持ちかけた。
政次「徒党を組んで木を盗むとは、出来心などではできぬこと。ほかにも盗みを働いておる悪党にございましょう。打ち首になさるがふさわしいかと」
井伊で盗みを働いたとあれば、駿府でも罪を犯しているかもしれない。そうなると、井伊は今川家の咎人を見逃したことになる。政次らしい理屈だった。
政次「さらには、井伊は盗人を打ち首にせぬ所と噂が立ちましょう。さすれば、次から次へと賊が入ってきましょう。民が襲われ、拐われる者も出るやもしれませぬ。それゆえ悪人に対しては、処罰をせねばならぬのでございます」
直虎「じゃが、あの男には恩があるのじゃ」
政次「知らぬ者なら打ち首、知っておる者なら見逃すと仰せか。そこが最も間違っておると思われませぬか」
まったくその通りだ。直虎は言い返すことができない。
追い込まれた直虎は、ふと思いついたことを口にした。
直虎「そうじゃ、働かせてはどうじゃ!」
人手が足りていない井伊に、せっかく転がり込んできた者を活かすいい方法ではないか。
政次「苦役を課すことが最上とは思えませぬが、やると言う殿にやるなと申しても無駄にございますゆえ」
平静を取り戻した直虎は、今川の様子を問いただした。
政次は、武田義信の幽閉を解くようにと、寿桂尼(浅丘ルリ子)が武田信玄に働きかけているようだと答えた。
政次「うまくいかなければ、今川は松平と和睦を結ぶことを考えるかもしれませぬ」
事態はさらに悪化していった。
牢獄に入れている者たちの処遇を直虎に任せておけば、近いうちに近藤が怒鳴り込んで来るであろう。
そう考えた政次は、賊を近藤側に引き渡すことを勝手に決めてしまったのだ。
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直虎は、すぐに政次の屋敷に駆けつけた。
直虎「戦わぬのが最上、そう教えてくれたではないか! 偉そうに説教を垂れたそなたが、なぜ盗人一人の命を取ろうとする!」
政次「…何をどうおっしゃろうが、殿は単に知り合いの血を見るのが嫌なだけだ」
直虎「ああ、嫌じゃ! われはこれでもおなごでな。おなごは血など見飽きておるからの!」
これには、さすがの政次も少々たじろいだ。
そこに直虎が畳みかける。
直虎「生きておれば、ただそれだけで血が流れる。ほかに打つ手もあることに、わざわざ血を流すことはない。もし、誰かに血を流させることを、それは力だ、強さだと言うならば、なんと愚かなことか!」
政次は腕を組んで直虎の言い分をじっくり聞いている。
直虎「そなたの敬愛する孫とかいう御仁は、こんな話も書いておられた。敵国の宰相を手懐け、敵国の王や人民に逆らう意図をなくさせ、戦わずしてその国を得たという話じゃ。われは家老には、ぜひかくあってほしいと願う!」
政次「…言いたいことは言うたか」
そう言うと、政次は直虎をまっすぐ見据えて語り出した。
政次「では、俺も言わせてもらうが、あの男が虎松をさらったりすればどうする?瀬戸村に押し入ればどうする?殿が今、守らねばならぬのはなんだ?」
直虎は答えることができない。
井伊の民であることは当然わかってはいるのだが、それを口にすれば、賊を死罪にせねばならないからだ。
そのとき、
「直虎様!」
と、直之が駆け込んできた。
賊の見張りをしていた六左衛門が吹き矢で眠らされ、牢獄から逃走したというのだ。
直虎「もう情けなどかけてやらぬ。今度会ったらノコギリ引きの刑に処してやるわ!」
直虎が居館に戻ると、祐椿尼(財前直見)が緊張した面持ちで待ち構えていた。
祐椿尼「落ち着いて聞くのですよ」
そう言うと、予想もできない話を切り出した。
祐椿尼「今、寺のほうに、直親の娘と名乗る者が訪ねてきたそうです」
直虎は声を失って、母の顔を見つめることしかできなかった。
[次回] 第20話のあらすじとネタバレ!「第三の女」
大河ドラマの小説版はこちら。
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