おんな城主直虎第3話のあらすじとネタバレ!「おとわ危機一髪」

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そのとき襖が開いた。
尼僧に付き添われた、上品な老女(浅丘ルリ子)が立っていた。
「大方様にあらせられる」
寿桂尼様だ!とわは慌てて平伏した。

「面を上げよ。人質に来た井伊のとわとは、そちか?
太守様はお取り込み中のようじゃ。待つ間、蹴鞠でも見ぬか?」
縁側の襖が開くと、庭に大勢の人が集まり、蹴鞠に興じている。

その中に瀬名の姿を見つけたとわは
「瀬名様…」と呟いた。
すると寿桂尼はおや?と顔を向けた。

あれは子供らの蹴鞠にいつも入りたがるのだという。
勝ったら褒美に龍王丸の妻にしてもらうのだと言っているそうだ。

義元の嫡男・龍王丸に勝てば、なんでも褒美がもらえる。
そう聞いたとわが庭に目を向けると、近習たちに囲まれた小さい男児の姿が見えた。
「これだ!」
とわは裸足のまま庭に駆け下りると、龍王丸の前へ飛び出した。
「われと一番、勝負をお願い申しまする」

とわは挑戦を許された。
とはいっても、蹴鞠などやったことがない。
あっさり負けてしまい、皆に笑われた。

「もう一度お手合わせ願います!」
負けた。
また挑んだ。
負けた。
何度も食い下がった。

次第に龍王丸の顔から笑いが消え、息は上がり、足元はおぼつかなくなった。
そして、龍王丸の蹴った鞠が、大きくそれて転がった。
とわは龍王丸に近づいて、褒美をくださいと迫った。
「こんなもの、勝ったとは言わぬ!」

とわに背を向け去ろうとする龍王丸に、とわは飛びかかる。
龍王丸は転んでしまい泣き出すが、とわは頓着することなくさらに続けた。
「われは褒美がないと困るのじゃ!井伊が潰れてしまうのじゃ!」
政直が鬼の形相で止めに入った。

その瞬間、周りの家臣たちが次々とひれ伏した。
「太守様にございます」
たけが言うと、とわも急いで平伏した。

とわは顔を上げると、絵巻物で見たことのある公家の格好の男がいる。
これが義元公(春風亭昇太)なのか。

とっさにとわが訴えた。
「井伊直盛が娘、とわと申します。龍王丸様に勝ちました。ご褒美を頂きたく、おとりなしを願いまする」

その場にいた者たちがどよめいた。
「何度も勝つまでやめない、こいつは卑怯者にござりまする!」
龍王丸が叫んだ。

義元が扇を口元に当てて小さく呟き、供の者が言った。
「何を所望じゃ」
とわは、井伊に返していただきたいと言った。
「姫、無体な望みを…」
政直が叫んだ。

そのとき、義元のそばにいた細身の僧侶が
「その者は粘り腰で、実によい戦いをしました。よい戦いをした者には褒美を取らすのが武門の習い」
と言った。このお方が太原雪斎様だろうか…。

さらに、隣にいた寿桂尼が続けた。
「龍王にも見本を示さねばなりませぬしね」

すると義元は扇でとわを指し、追い払うように振りかざした。
「褒美を遣わす。去ってよいとの仰せじゃ」

供の者の言葉に、とわは驚いた。
と同時に直感した。
佐名様が、寿桂尼様が、そして雪斎様もわれの味方をしてくれたのだ。

今川の居館の外で、南渓と左馬助が待っていた。
「ご無事だったのですね!」
褒美をもらったと笑いながら、今川の家臣からもらった書状を左馬助に手渡した。

一女とわの出家をもって本領安堵とす

左馬助が読み上げた。

「でかしたぞ!」
南渓が叫び、大手柄だと言って喜んだ。

夕日に照らされた金色の顔は希望の色だ、
と、とわは思った。

[次回] 第4話のあらすじとネタバレ!「女子にこそあれ次郎法師」

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