1月15日放送のおんな城主 直虎
第2話「崖っぷちの姫」の詳細なあらすじです。
ネタバレ注意!
おんな城主 直虎 第2話「崖っぷちの姫」あらすじ
亀之丞がいなくなった翌朝、井伊の居館に今川の使いの者が訪れた。
井伊谷の子どもたちを集めて、左馬助(苅谷俊介)によって人あらためを受けていた。
その様子を井伊の一族の者たちが眺めていた。
そんな中、千賀(財前直見)はうわの空だった。
とわの姿が見当たらないからだ。
私が目を離したばかりに…
と乳母のたけ(梅沢昌代)が落ち込んでいる。
そのとき、荒々しい声が響いた。
「亀之丞らしき者を捕らえました!」
一同が騒然となる中、千賀は見覚えのある着物を着た子どもが引きずり出された。
千賀は、自分の娘だと言い、たけは姫様だと叫んだ。
左馬助も姫であると認めた。
とわは竜宮小僧を探して遠出していたと言い訳をした。とわの主張はなんとか認められ、館に帰ることができた。
「亀の笛を拾ったので、届けようと思ったのです」
昨晩からいなくなった経緯を父と母に説明した。
とわを見つけてくれたのは、百姓の格好をしていた亀之丞の従者・今村藤七郎(芹澤興人)だった。
藤七郎が見張りをして、とわと亀之丞はわずかな時間ながら物陰で話を交わした。
とわが笛を差し出すと、亀之丞はわざわざ届けてくれたことに驚いた。
「この笛は父上から頂いたもので、二度と手に入らない。ありがとう、おとわ。」
亀之丞は泣き笑いの顔で言った。
とわも寂しさをこらえて
「何があっても決して死ぬなよ」
と伝えた。
俺はもっと強い男になって、必ずおとわのもとに帰る、と答えた。
このときのことを思い出すと、とわは胸が締め付けられる思いだったが、両親の前では明るく説明した。
「亀はわれの着物を着て逃げ、われは亀の囮になって戻ってきたのです。」
どこへ行くのか、亀は教えてくれなかった。
数日後、ようやく今川の使者は井伊谷から引き揚げた。
直満(宇梶剛士)の葬儀がひっそりと執り行われた。謀反人とされたこともあり、近しい身内だけの寂しい葬礼だった。
その席に、招かれていない小野政直(吹越満)が姿を見せたことから、井伊家内は一気に紛糾した。
「このような場で恐れ入りますが、太守様よりのお下知を申し上げます」
なぜ儂ではなくそなたにお下知が届くのだ!
と左馬助が気色ばむ。
「その理由もお下知の中にございます」
政直は冷然と答えると、書状を出して読み上げた。
「こたびは、直満が謀反を見抜けず、あまつさえその子を取り逃がしたる不始末、目付・新野左馬助が働き甚だ心もとなし。よって向後、小野和泉守政直を目付に任じるものなり」
一同があっけにとられ、怒りに身を震わせる前で、政直はとんでもないことを言い出した。
「小野和泉守が一子を、井伊の娘とめあわせることを加えて下知す」
直平(前田吟)が脇差を抜いて政直に斬りかかろうとした。
「じじ様!堪えてください!」
直盛が羽交い締めにして、必至に祖父を止めた。
とわは龍潭寺を訪れ、南渓和尚(小林薫)と話していた。
井戸の赤子はなぜ生きていたのか、亀之丞が戻ったら正解を教えてやりたいと思ったとわは、南渓に尋ねてみた。
「おとわは何ゆえじゃと思うた?」
「ご初代様は竜宮小僧であったのではないかと」
「ほぉ、なるほど」
では、亀は何と言っておったか、と返した。
「井戸が涸れていたからと。鶴は、井戸の外に捨てられていたと。正解はございますか?」
皆が正解じゃ、と南渓は答えた。
「答えは一つとは限らない、まだあるかもしれんぞ」
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帰ったとわを待っていたのは、鶴丸と夫婦約束することになった、という話だった。
「われは亀と約束をしたばかりですが…亀はもしや…」
直盛がそうではないとすぐに否定し、
千賀が付け加えた。
「今川より下知が来たのです。
謀反を企み、亀之丞の引き渡しを
拒んだ井伊家を許す条件だというのです」
なぜそこで小野なのか、と両親に食い下がった。
「もはや、他に手立てはないのです」
と千賀が言い、話は打ち切られた。
とわは煮えくり返る思いだった。
龍潭寺でとわは鶴丸を捕まえた。
俺の顔など見たくもないだろう、と鶴は口を開いた。
「わが父のしたことは知っておるのだろう。
亀の父上の謀反を今川に密告したのじゃ」
とわは愕然とした。
「そのために亀の父は成敗され、亀之丞は井伊谷を追われた。俺とおとわ様との夫婦約束は、今川からの褒美じゃ」
鶴丸はそう言うと、いきなり駆けだした。
とわは鶴丸を追いかけ、前に回り込むと
亀は必ず戻ると言った。われは待っていなければならない、と鶴丸の目を見て言った。
どうすれば鶴丸と夫婦にならずにすむのか…
とわは必死で考えた。
自分がいなくなれば約束も消えてなくなる…
とわは家出を決行した。
ところが、とわは目が覚めると館にいた。
家出をして、彷徨っていた記憶は残っている。
暗い道を歩いていたが、
寒さしのぎのために小屋に入った。
若い男がいて親切にしてくれて、
櫛と引き換えに粥を食べさせてくれた。
探索者の声が聞こえるとわれを縛り、袋に入れて、井伊の姫を見つけたと、褒美欲しさに差し出したのだ。
千賀の平手打ちが飛んできた。
「皆がどれだけ心配したことか。
夜を徹して捜しておったのですよ!」
とわは懸命に言い返した。
「亀がかわいそうではないですか!
戻ってくるつもりなのに、われが鶴と夫婦になっていてはかわいそうではないですか!」
目から涙が溢れていた。
とわが落ち着くと、直盛は冷静に語りだした。
「おとわが亀之丞のことを思うておるのはよう分かった。だが、鶴と一緒になってくれねば、井伊は潰されてしまう。それでは皆が困るのじゃ」
とわはかみつくように反論した。
鶴と一緒にならず、井伊も潰されない手を考えればよいではないか、と。
父上も母上も、何も考えていない阿呆ではないかとまで言い放った。
千賀は怒り心頭に発し、娘を部屋に放り込むと、乱暴に戸を閉めた。
部屋に取り残されたとわは、部屋に置かれた鼓(つづみ)を見つけた。
直満が駿府土産に買ってきてくれたものだ。
息子が笛なら、娘には鼓じゃろう
そう言ってくれたことを思い出しながら、
ぽん、と鳴らしてみた。
亡くなった直満、そして亀之丞の顔が浮かんできた。
鶴と夫婦になるしかないのか…
ぽん、ぽん、と鼓を打った。
その時、南渓の声が聞こえた気がした。
「答えは一つとは限らぬからのぅ」
南渓の顔を思い返していると、はっとあることを思いついた。
その瞬間、とわは鼓を強く鳴らした。