真田丸 梅の兄・堀田作兵衛はイクメン百姓?藤本隆宏が語る役作りとは

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上田を愛し、源次郎を慕う心温かい人物

梅の兄で地侍の堀田作兵衛。梅亡き後、すえを養育する姿にほっこりした視聴者も多かったようです。

史実の記録が少ない堀田作兵衛のキャラクター設定を紐解くとともに、演じる藤本隆宏さんが語った役作りのポイントを探ってみたいと思います。

堀田作兵衛とは?

梅の兄。真田の郷の地侍で、村のリーダー的な存在。隣の郷の領民が、真田の郷の山や畑を荒らしに来ると、武器を持って蹴散らす豪気さを持つ。

真田家への忠誠心があつく、中でも信繁と親しく交流。松の夫・小山田茂誠が行き場を失うと、信繁に頼まれて茂誠をかくまう。また、妹の梅が信繁の妻になり、梅の娘・すえは、のちに作兵衛が引き取って養育する。人質として各地を転々とする信繁を常に気にかけ、生涯を通じて応援する。

藤本隆宏が語る堀田作兵衛の役作りの秘密

堀田作兵衛は、父親の代から真田家と強い信頼関係で結ばれてきた地侍で、地元の農民のリーダー。いつも平和のことを考えている。心温かい人物です。セリフに「畑仕事をしているほうが性に合っている」とあるとおり、本当は戦なんてしたくない。だから、話し方や所作は、侍というより、農民を意識して演じています。

僕が演じる堀田作兵衛は、人物に関する史実がほとんど残っていません。最初に思い描いていた作兵衛のイメージは、幼いころに両親を亡くして妹と小さな家で細々とがんばってきたという人物像でした。ところが、堀田家のセットが建てられてみると、予想よりもはるかに家屋が立派だったんですよ。妹とふたりで暮らす母屋のほかに、武器小屋と納屋、鳥居、それから投げ矢の練習場もあったんです。そんなセットの家に入ってみると、作兵衛が農民たちのリーダー的な存在で、仲間もたくさんいることが想像でき、だから信繁も信頼してたびたび訪ねてくるんだなと納得できました。

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出典:www.nikkan-gendai.com (C)日刊ゲンダイ

今回、作兵衛について知るために、上田を訪ねました。行ってみるとよく分かるのですが、あの一帯は交通の要所なんです。昔から情報や文化が集まってきた土地だったのでしょう。だからこそ、真田のような画期的な戦い方ができる家風が育ったのだと感じました。

じつは、作兵衛は妹の梅よりも力が弱いという設定です。そのため、筋力を鍛えるべく鍬に錘をつけて畑仕事をしているという小道具の鍬も用意されていました。このように放送では映らないような細かい状況設定が、セットのあちこちに施されているんですよ。また、大河ドラマで自分の役柄の家が劇中に建つという状況も初めての経験ですので感激しました。

作兵衛にとって源次郎(信繁)は、自分たちの土地を守ってくれる真田家の大切な若様であり、幼なじみでもあります。源次郎から見れば、身分が全く違う作兵衛は、本音で気兼ねなく話せる数少ない相手であり、身近な情報源でもあったのではないでしょうか。作兵衛も、優しくて、自分たち庶民と同じ感覚を持っている源次郎のことを心から慕っている。2人は全幅の信頼関係で結ばれているのだと思います。

作兵衛は妹のお梅と2人暮らしです。お梅は作兵衛よりずっとしっかり者で、母のような、姉のような存在でもあります。お梅役の黒木華さんもとてもしっかりしているので、役の上での僕らの関係性と近い気がして(笑)、演じやすいですね。

いずれ、『大坂の陣』では、作兵衛も槍を持って活躍すると聞いていますが、まだ確かなことは分かりません。ただ一つ言えるのは、作兵衛はずっと上田に住み続けたということ。恐らく、上田という土地を誰よりも愛していた人物だったと思います。そんな彼の気持ちを表現していきたいですね。

そんな作兵衛は半農半侍、おそらく「農民が必要に迫られて武器を持ち、ときどき武士にもなった」というような人なんです。侍というと、主従関係が厳しくて、所作も完璧だったりしますよね。でも作兵衛は、武士ならこうあるべきというような教育を受けていないために、ときに武士の常識から外れた言動をするんです。僕も、役者になる前は水泳一筋でしたので、ほかの役者さんたちとは少し違う感性を持っているようで、自覚がないのですが、三枚目の要素があるみたいなんですね(笑)。今回もどうやらその路線のようなので、自分では気づいていない素の部分を大事にしつつ、作兵衛を演じていこうと思っています。

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