泣ける絵本と銘打つ作品は、この世にゴマンと出回っています。ところが、この作品は、そのような『感動の押しつけ』が決して強くはありません。
大人同士が一緒に鑑賞して、あるいはそれぞれで読んだ感想を共有して頷きあうだけで、なんだかこみ上げてくるものがある。そんな不思議な絵本なんです。
この作品のテーマは『死』。
亡くなったおじいちゃんの部屋から出てきたノート。そこにはおじいちゃんが想像した”死んだあと”のことがたくさん書かれていました。
子供向けの絵本で死について教えようとすると、どうしても難解になってしまいます。しかし、この絵本は新たな切り口で子どもにもわかりやすい表現で死を感じさせる作品に仕上がっています。
『このあと どうしちゃおう』(ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)
ヨシタケシンスケとは?
職業:イラストレーター・絵本作家
出身:1973年 神奈川県生まれ
大学:筑波大学大学院芸術研究科総合造形コース修了
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これまでの作品
日常のさりげないひとコマを独特の角度で切り取ったスケッチ集や、児童書の挿絵、装画、イラストエッセイなど、多岐にわたり作品を発表しています。
りんごかもしれない
「かもしれない」という言葉が繰り返されます。そこには、常識を疑い、さまざまな視点から観察し、想像力を駆使するための仕掛けがたくさん用意されています。
『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)
第6回MOE絵本屋さん大賞第1位
第61回産経児童出版文化賞美術賞などを受賞。
しかもフタが無い
日常の些細なあるあるをおもしろく切り取った、楽しい作品です。
『しかもフタが無い』(PARCO出版)
結局できずじまい
大人になったら、なんでも楽々できるんだろう、と子どもの頃は思ってましたよね。
でも、そうじゃないんだよ。大人にもできないことはいっぱいあるんだよ。
大人が読んでも共感しながら楽しめる、そんな作品です。
『結局できずじまい』(講談社)
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せまいぞドキドキ
『狭所マニア』を自称するヨシタケ氏が、狭いところの楽しみ方を描いています。
『せまいぞドキドキ』(講談社)
そのうちプラン
スケッチのようなタッチの、脱力系イラスト集です。
『そのうちプラン』(遊タイム出版)
ぼくのニセモノをつくるには
自分にそっくりな『ぼくのにせものロボット』を作るために、自分のデータを提供する。そのためには、自分自身について考えなければならないわけです。
自分とは何か?
自己認知や自己分析のために大人が読んでもハッとさせられる作品です。
『ぼくのニセモノをつくるには』(ブロンズ新社)
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