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おんな城主直虎 第49話のあらすじとネタバレ「本能寺が変」

12月10日放送の大河ドラマ「おんな城主 直虎」
第49話「本能寺が変」の詳細なあらすじです。

前回(第48話)はこちら。
おんな城主 直虎 第48話のあらすじ「本能寺が変」

ネタバレ注意!

おんな城主直虎 第49話「本能寺が変」あらすじ

5月14日。
徳川の一行が安土城に入る頃、直虎は京にいた。
万千代からの依頼で、徳川家の御用商人、茶屋四郎次郎と会っていたのである。用件は、何かが起こったとき、速やかに三河へ戻るための経路を押さえておきたいとするものだった。

「二つ、手はあるような気がいたしますな」

家康からの文を読み終えた茶屋が、口を開いた。

「宇治から伊賀を抜け、伊勢に出て、知多に渡る。もう一つは、堺より船にて知多へ」

「…宇治からの道をお任せすることはできますか?堺のほうには昔なじんだ気賀の衆がおります。そちらを頼み、私のほうで当たってみることもできますかと」

直虎は言った。堺。その地名に、胸が波立っていた。
 

「遠路わざわざのおいで、かたじけなく存じまする。供応役の明智にございます」

「お招きいただき、光栄の至りにございます」

誰もが緊張していた。信長は安土城で家康たちを歓待して油断させ、堺の町を見物させる。最後は京の本能寺で開かれる茶会に呼び出し、そこで討ち取る予定でいる。今川氏真から、そう聞かされていたからだ。

「では上様が参られますまで、しばしごゆるりと」

表情を変えずに言い、光秀が退出した。うっすらと額に浮いた汗を、家康は手の甲で拭った。

堺に着いた直虎は、その足で中村屋を訪れると、旧交を温める間もなく、船の手配を申し入れた。中村屋が言うには、海路で知多へ入るには、どこかで一度、船を寄港させなければならないらしい。

直虎「知多まで一気に行ける船はないのか?」

中村屋「…南蛮の船でもなければ難しいかと」

直虎「それじゃ。なんとか借りられる手はないのか」

中村屋は、にやりと笑って答えた。
「では、頭に話してみますか」


[2/3ページ]

信長の供応は華やかで、念の入ったものだった。その最中、羽柴秀吉が放った密使が安土城に到着した。

齟齬と混乱はそこから始まった。宴席に家臣が現れ、恐れながら、と信長に告げた。

「備中高松城の清水宗治が思ったよりしぶとく、至急に援軍をお願いしたいとのことにござります」

一瞬の躊躇もなく、信長は光秀に視線を向けた。

信長「急ぎ中国へ向け、兵を調えよ」
光秀「しかし、それがしはご供応役にございますし」
信長「行けと言うのが分からんのか、この金柑頭!」

退出する光秀を見送り、家康たちは顔を見合わせた。謀反を起こすはずの張本人が消えた。これから何がどうなるのか、誰にも分からなくなっていた。
 

驚きに目を丸くする龍雲丸は、少しも変わっていなかった。妙に照れくさくなり、直虎は小声で言った。

「久しいの、頭」
「会いに来てくれたのか、とわ!」

挨拶もそこそこに直虎は南蛮の船が必要となった事情を説明した。

龍雲丸「尼小僧様はまたなんだって、こんな物騒な話に首突っ込んで」

直虎「われは今、戦をなくす戦をしておるのじゃ」

虎松が万千代と名を改め、今は家康のそば近くに仕えていることを直虎は話した。

直虎「ひとつ徳川のお家で、戦のない世を目指していただこうかと思うてな」

「相変わらず…いかれておるのぅ」

龍雲丸は、あきれたように笑った。

数日後の5月29日。
安土城での6日間に及んだ供応を終えた徳川一行が、堺にようやく姿を見せた。

あとは謀反の報とともに、ここから船で逃げるのみ。そう思った直虎だったが、光秀が毛利攻めの支度のために領地に帰ったことを万千代から聞かされ、にわかに落ち着かなくなった。


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6月1日、信長の使者が現れ、にこやかに告げた。

「お待たせいたしました。わが主人より、明日、京に参るようにとの知らせが参りました」

光秀が謀反を諦めたとなれば、京に行けば、信長の策どおり、皆が討たれることになる。

そわそわと腰を浮かせる一同の中で、家康がゆっくりと口を開いた。

「そもそも織田様がわれらを殺すという策などはないのではないか?」

「…ただわれらを招いただけ。その機を利用し、織田様を殺せると思うた明智がわれらに『殺すつもりだ』と囁いたということにございますか」

「うむ。ゆえに、明智殿が諦め、中国へ向こうてしもうたのならば、われらは京で茶を頂いて終わるのではないか?」

確たる理由はなかった。が、安土城で接した信長からは、殺意も殺気も感じられなかった。もてなしておき、京まで呼んでから討つというのも信長らしくない。殺す機会など、安土でいくらでもあったはずだ。

みずからを信じ、6月2日の早朝、家康は一同とともに堺を離れ、京へ向かった。

そしてその途中──。

「今朝方、本能寺は明智に急襲されましてございます!」

行き合った常慶が、一行に知らせたのであった。

「…そうか。やられたのか。織田、様は」

「二条城には織田様ご嫡男がおられ、京ではすでに戦が始まっております」

こうなれば、戦火に巻き込まれぬよう、一刻も早く逃げるしか道はない。家康一行は陸路をたどり、翌日には伊賀の山越えを経て、伊賀の浜から船に乗った。そして早くも翌々日には、三河の地に達していた。

信じられない出来事はなおも続いた。中国で毛利攻めに苦慮していたはずの秀吉が、和議を結んで姫路に馳せ帰り、光秀討伐ののろしを上げたというのである。

これは、ますますどうなるか分からぬ…。

家康は目を閉じ、腕を組んだ。巨大な織田領国は夢のように消え失せ、日の本全土が権力の空白状態となっていた。妻と息子を殺させた、悪鬼のごとき男の顔を、家康は奇妙な懐かしさとともに思い出した。

 

[次回] 最終回・第50話「石を継ぐ者」あらすじとネタバレ

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