おんな城主直虎 第40話のあらすじとネタバレ!「天正の草履番」

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家康「この先、万千代が手柄を立てれば、わしはそれなりの処遇をするつもりでおる。…それが今後の徳川の生き残りを分けることにもなるとも思う」

徳川の所帯も大きくなった、と家康は続けた。
家中には今川の者、武田から来た者もいる。三河者でなくとも、実力次第で出世が望める。そういう家風にならねば、謀反が相次ぐことは目に見えている。

家康「万千代は、その先駆けとなる力を秘めておるような気がするのじゃ」

直虎「ずいぶんと高く買うてくださり、恐縮にござります」

家康「わしは信玄公のように戦に長けておるわけでもなく、信長公のように天賦の才があるわけでもない。その分、人は宝じゃ。大事にせねば」

しみじみとした言葉に、直虎は強い共感を覚えた。

直虎「その昔、井伊にはまこと人がおりませんで…、人がおらねば何もできぬのだと、痛感いたしました」

家康と語り合ううちに直虎は、非凡なる凡という言葉を思い出した。凡なることを着実に成し得ていくお方は、やはり非凡だ。虎松のあとあとの使い道も考えておられる。主として仕えがいのあるお方となろう──。

松下家の問題は、意外な形で決着することになった。
虎松の説得が不首尾に終わったことを知らせに行った直虎を痛烈に罵倒するしのに、病床に身を起こした源太郎が、こう言ったのである。

源太郎「わしがもう構わぬと言うたら、それでよいか?」

しの「な、何をおっしゃっておいでです。かような勝手、殿が引くいわれは毛頭ございませぬ!」

そなた、井伊家の再興が嬉しくないわけではあるまい。源太郎は優しく笑って言い、こう付け加えた。

源太郎「そなたは虎松の母じゃし、たとえかりそめでもわしは父じゃった。ならば最後まで親らしくあらぬか?あやつの思うように送り出してやらぬか?」

しのが、わっと泣き出した。
その隣で、直虎は深く頭を垂れた。
すぐにも松下の養子を探さねばならない。だが、虎松と亥之助が井伊と小野を名乗り、ともに歩いて行くことを思うと、源太郎には申し訳ないけれど、直虎は、新たな希望の灯を得た気もするのだった。
 

その万千代と万福は、ひと月以上を費やし、究極ともいえる草履番の技を完成させていた。
家臣全員の名と顔を覚えておき、玄関に誰かが近付いてくると、その足元に向け、草履を正確に滑らせるのだ。

「はい、お次。金田様、木原様、多門様~」

万千代が言えば、万福が復唱しながら草履を渡す。
受け取った万千代は、廊下に素早く草履を投げる。
と、シュタッと乾いた音を立てて滑った草履が、各自の足の手前でピタリと止まる。

締めに、万千代が叫ぶ。
「お勤めご苦労様にございました!」

その様子を見ていた家康は、笑って側近に言った。

家康「あれはもう、日の本一ではないかの」

小姓への道が開けたかと思われた。
しかし万千代たちは、新たな条件を突きつけられてしまうのだった。
 

[次回] 第41話「この玄関の片隅で」あらすじとネタバレ

 

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