おんな城主直虎 第32話のあらすじとネタバレ!「復活の火」

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井伊谷城の曲輪で、政次は戦の用意をしている。
そこに徳川勢が近付いている知らせが届いた。

政次「では、その者たちを捕らえよ!」

そう言うと、井伊谷に残っていた関口の郎党たちに切っ先を向けた。

政次「これより、小野は徳川に城を開け渡す。徳川につき、その下で井伊家を再興する。そなたらの中で、共に参る者がおるならば口添えしてやろう」

郎党たちはお互いの様子をうかがっていたが、一人が「参る!」と声を上げた。
他の者たちも次々と武器を置いた。

直虎と直之は、門前で徳川一行の到着を待ち構えていた。
やがて、松明の明かりと共に、家康の旗──金扇の大馬印が見えた。
最初に見えてきた顔は、近藤たち三目付だった。

近藤「これはこれは、尼殿様。今は次郎法師様にございましたかの」
直虎「近藤、殿。そなたらも徳川についたのか」
近藤「はい。ご縁がございまして」

徳川の重臣・酒井忠次と挨拶を交わすと、忠次が言った。
忠次「お取り次ぎを願いたい」

促されて門のほうへ向かっていくと、なぜか後ろから荷車がついてくる。
直虎「あの荷は?」
近藤「兵糧を運ばせてきました。井伊の世話になっては申し訳ないと思うての」

積んである箱の隅には穴が開いている。
近藤の言っていることは本当だろうか。
今はそれを確かめる手立てはない。

忠次「徳川の使者・酒井忠次と申す! 開門せよ!」
政次「かしこまった! しばし待たれよ!」

ゆっくりと門が開いていく。それを見ている近藤の表情が、まるで舌なめずりしているかのようだ。直虎は胸騒ぎがして仕方がない。
気になって茂みを見やると、夜目にキラリと何かが光った。
あれは…!

とっさに城を見ると、すでに門は開いている。一行を迎えようと待っている政次の姿があった。
直虎「但馬! 罠じゃ! 門を閉めよ!」

叫ぶと同時に、茂みから無数の矢が放たれた。

直虎「逃げよ!」

闇を切り裂いて、矢の雨が降り注いだ。
放たれた矢は、徳川の旗下にある近藤たちの隊列にも降りかかった。

直之「かかれーっ!」
いち早く直之が茂みに向かった。

近藤の号令が辺りに響き渡ると、荷車の箱から近藤の兵たちが飛び出した。

12月13日。くしくも、信玄によって今川館が焼け落ちたのと同じ日のことだった。
 

[次回] 第33話のあらすじとネタバレ!「嫌われ政次の一生」

 
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