みんなの噂話

おんな城主直虎 第30話のあらすじとネタバレ!「潰されざる者」

7月30日放送の大河ドラマ「おんな城主 直虎
第30話「潰されざる者」の詳細なあらすじです。

前回(第29話)はこちら。
おんな城主 直虎 第29話のあらすじ「女たちの挽歌」

ネタバレ注意!

おんな城主直虎 第30話「潰されざる者」あらすじ

駿府では、今川氏真(尾上松也)の号令のもと、国衆や目付たちを集めて、戦支度の命がとんでいた。

政次(高橋一生)は、井伊に戻るとすぐに直虎(柴咲コウ)と対面した。

政次「大方様に呼ばれたときのことをお伺いしたいのですが。いかようなお話をされましたか?」
直虎「直親のことを聞かれ、お言葉を返したら、大方様は涙を見せられ、われに今川を支えてくれ、と。…何かあるのか?」
政次「あの呼び出しは、内通の疑いがある者を洗い出すためのものであったとの噂を聞きまして」
直虎「われは試されておったということか」
政次「恐らくは」
直虎「しかし、あれからもうずいぶんと時もたっておるし。疑いなしとされたということではないのか」

政次には、これ以外にも引っ掛かることがあった。
駿府の今川館でのことだ。
方久(ムロツヨシ)が一人で氏真に呼び上げられ、なんとも表しがたい表情で控えの間に戻ると、その後はぴたりと口を閉ざしていたのである。

政次は、直虎が話していたことも気になっていた。
戦備えの商いのために蔵を建てることを、方久が今川家から許されたのだという。しかし方久は、井伊に材木を発注していない。

これはどういうことなのか。
今川家は井伊を疑っているのか。
潰すすもりで、それを方久は知っているとでもいうのか──。

政次は龍潭寺に向かうと、橘の木に向かって話しかけた。
「俺の考え過ぎか、亀」

橘は何も答えず、風に吹かれた葉が鳴った。
「…一つ、こちらから仕掛けてみるか」

政次は気賀へ向かい、龍雲丸(柳楽優弥)を呼び出した。
政次が考えた策はこうだ。

三河から方久に会いたいという者が来ている。
商売になるかもしれないと思う方久は、のこのこと現れるだろう。
今川家との間に密約が生まれているとしたら、明らかな背信行為のはずだ。


[2/3ページ]

龍雲丸に誘い出され、方久が龍雲党の根城にやって来た。
政次がじっと見やると、方久は焦ったようなひるんだ表情を見せた。

政次「知らぬであろうが、私はお主を見張るように太守様から言われておってな」
方久「えっ!」
政次「これは、どうしたものかのぅ」

政次は冷たい声で問いかけた。

政次「井伊を取り潰す話からは、但馬を外すと言われたか」

方久は驚いて目を剥いた。
政次の考えたとおり、井伊家を追い込み、滅する話が陰で進んでいるに違いなかった。

政次「お主には私を外すと言いつつ、私にはお主を外すと言い、天秤にかけておるのであろう。今川とはそういう家じゃ」

方久は、何かを隠しているかのように背中に手を回している。その背後から龍雲丸が手を押さえた。
方久「やめ、頭! やめ! ああああぁ」

袴の下から書状が出てきた。
龍雲丸が政次に渡し、政次は書状を開いた。

徳政令後も瀬戸方久の土地は安堵す

なるほど、そういうことか。
徳政令で百姓たちの借金が帳消しになれば、方久は井伊家に貸している金を取り立てる。返す金などない直虎は、土地を差し出すしかなくなるだろう。

政次「そうなれば井伊は潰れたも同じ。今川は一兵も動かさず、井伊を直轄にできるという筋書きか」
龍雲丸「尼小僧に取り立ててもらったんじゃねえのかよ」
方久「気賀を取り上げると言われれば、誰だってそうするでしょう!」

開き直った方久が続けた。
「それに悪うございますがね。徳政がどうあれ、井伊は取り潰されますよ。今川の目当ては、井伊を直轄にすることですから!」

その後の今川の対応は早かった。
今川家の家臣・関口(矢島健一)が突然訪れ、想像もしていなかったことを言い出した。

関口「太守様よりのお下知を達しに参った」

関口は書状を広げて読み上げた。

かねて井伊領内の百姓らの願い出たる徳政令、井伊に速やかに行うことを命ずるものなり

 
戸惑い声も出ない直虎に向かって、関口は続けた。

関口「全く進んでおらぬ井伊からの借金を取り立てたいと、方久が申し立ててきての」
直虎「方久はそれをせぬことと引き換えに、井伊の家臣となったのです。さようなことを言いだすわけがございませぬ!」
関口「しかし、わしはそう聞いておるゆえな」

直ちに徳政を行うという誓詞を明日までにしたためよ、そう言い残すと関口は立ち去った。


[3/3ページ]

「何ゆえ、また徳政をと」
重苦しい空気の中、六左衛門(田中未央)が言った。

直虎「詳しいことは分からぬが、今川がまた井伊を潰しにかかっておるのは確かじゃ」
政次「戦を控え、三河との境目ともなるこの地を、信のおけぬ井伊に守らせるのは危うい。そう大方様がご判断なされたのでございます」

政次は淡々と続けた。

政次「こたび徳政をはねつければ、力に訴えられましょう。かような形でのお取り潰しは、むしろ今川の温情かと」
直之「勝手なことをほざくな。銭で潰れたなど、末代までの恥さらしじゃ!」

歯向かう直之(矢本悠馬)を、直虎は押しとどめた。
直虎「よせ。この男はただの犬じゃ」

政次が、今川家に忠実な目付の仮面をかぶり、実は盾となって井伊を守ろうとしていることは、今さら誰にも打ち明けることはできない。
しかしその政次の正体を、寿桂尼(浅丘ルリ子)が見抜いていたのだとしたら…。

直虎は一人になり、考えに耽った。

思い切った策に出なければ。
例えば徳川家が攻めてきたとき、立ち向かうと見せかけ、関口の首を差し出すなどどうか。いったんは徳政を受け入れたとしても、徳川の下で、井伊はよみがえる…。

すっかり夕方になった頃、直之が声を掛けてきた。
「瀬戸・祝田の百姓たちが、関口様の寝所に押しかけようとしておるようにございます!」

関口たち一行の宿所となっている神社の前には、異様な光景が広がっていた。
何十人もの百姓たちが座り込んでいるのだ。

百姓「今川様にお願い申し上げまするに! わしらん瀬戸・祝田の百姓衆らは徳政を望まんに!」

百姓の一人がそう叫ぶと、一同が声をそろえた。
「徳政を望まんに!」

「うるさいぞ! うぬら、ここで何をしておる!」
関口の手の者が、百姓を立ち上がらせると殴り倒した。
しかし、その間も、徳政を望まんに! の声は続いた。

直虎が駆けつけ、この光景を見た時、政次とその家人たちは遠巻きに見ていた。
直虎「但馬、ここで何をしておる」

直虎が近付いて声を掛けると、政次は素早い動きを見せた。
直虎を羽交い締めにすると、脇差を抜き、切っ先を首に突きつけてきたのだ。

直之「殿!」

刀に手を掛ける直之も、政次の家人に取り囲まれた。
直虎はもがいて振りほどこうとするが、背後から政次が語りかけた。

「俺を信じろ。信じろ、おとわ」

小さく鋭い声でそう言うと、襟首を掴まれた。
そして、刀を突きつけたまま歩き出した。

 
[次回] 第31話のあらすじとネタバレ!「虎松の首」
 

 
大河ドラマのノベライズ版はこちら。

 

サウンド・トラック