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おんな城主直虎 第28話のあらすじとネタバレ!「死の帳面」

7月16日放送の大河ドラマ「おんな城主 直虎
第28話「死の帳面」の詳細なあらすじです。

前回(第27話)はこちら。
おんな城主 直虎 第27話のあらすじ「気賀を我が手に」

ネタバレ注意!

おんな城主直虎 第28話「死の帳面」あらすじ

今川氏真(尾上松也)の妹・鈴は武田義信に嫁いでいた。
その義信は、父・武田信玄に対して謀反を企てたと疑われ、自害に追い込まれた。鈴はそのまま甲斐に留め置かれている。

この仕打に対し、すぐに手を打ったのは寿桂尼(浅丘ルリ子)だ。自ら甲斐へ向かい、孫娘である鈴を駿府へ返すように信玄に直訴した。これと並行して、氏真の妻の実家にあたる北条家に対して、仲裁をしてもらうよう願い出た。

この寿桂尼の働きにより、鈴は無事駿府に戻され、今川と武田のいざこざも一旦決着した。

さらに、越後の上杉家との和睦にも赴くなど、寿桂尼は文字通り奔走した。その代償か、心臓に病を発して、伏してしまった。

その頃、気賀では堀川城の完成祝賀の宴が開かれていた。
その席で直虎は思わぬことを言い出した。

方久「私がここの城代にございますか?」
直虎「それが最もやりやすいと思うのじゃが」

中村屋や町衆も同意して一斉に声を上げた。

方久「瀬戸方久、お預かりするからには、気賀を銭のうなる地に変えてみせましょう!」

そこに龍雲党の皆も顔を出した。
直虎「来てくれたのか。こっちじゃ、こっち!」
龍雲丸「へぇ、ここから世を変えねばならねえんで」
二人は笑顔で見つめ合った。

「では、気賀はうまく回りそうなのですか」
碁石を置きながら政次が言った。

直虎「われが口を挟むことなど、ほとんどない様子じゃ」
政次「殿。そろそろ戦のことを考えたほうがよろしいかもしれませぬ」
直虎「今川と武田のいさかいは収まったのであろう?」
政次「表向きです。裏では武田は攻め込む手はずを整えておりましょうし。どうやら大方様のお具合もよろしくないようにございます。お亡くなりになれば、一挙に事が動くかもしれませぬ」

この言葉を聞いた直虎は、愕然となった。
政次「寝返りが始まり、戦にもつれ込みます。このまま何もせずにおれば、今川方として駆り出されるだけです。そろそろ何か手を打たねば」
直虎「…我らも寝返る支度ということか」

政次は静かに頷いた。
直虎「直親の仇をとってやらねばならぬな」


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「今朝方、寺宛てに届いての」
南渓はそう言うと、直虎に封書を手渡した。
そこに記されていた名を見た直虎は驚いた。

寿桂尼からの文だった。
おなご同士、腹を割って語り合いたい、と書かれていた。

南渓「恐らく会えるのも最後になろう。お主も話したいことを話してきてはどうじゃ」
直虎は駿府に向かった。

寿桂尼「忙しいところ、呼び出してすまなかったの」
直虎「めっそうもないことでございます。大方様とお会いするより大事なことなどございませぬ」

寿桂尼「このところ覚えが悪くなっての。さまざま書きつけることにしたのじゃ」
直虎は、持参した包みを開いた。
直虎「井伊で出来上がりました綿布にてございます。後見のお許しを頂きましてから三年。なんとか、かようなところまでこぎ着けました」

寿桂尼は綿布を手に取ると、撫でながら言った。
「そなたがのぅ。…大したものじゃ」

顔はやつれ、背は丸くなった寿桂尼は、ただの老人にしか見えなかった。

寿桂尼「そなた、あれをどう思うておる」
直虎「…あれ、とは?」
寿桂尼「直親のことじゃ。われらが何をしたかは、おおかた察しはついておるのじゃろう。…恨むなと言うほうが無理であろうな。今でも恨んでおろう?」

直虎は、拳を握りしめながら言った。
「家を守るということは、きれいごとだけでは達せられませぬ。大方様のなさったことを責められる者がおりましょうか」

寿桂尼はじっと見つめている。

直虎「狂うてでもおらねば、手を汚すことが愉快な者などおりますまい。汚さざるをえなかった者の闇はどれほどのものかと…」

寿桂尼に目に涙が光っていた。

寿桂尼「そなたから、さような言葉を聞けるとは思わなんだゆえ。すまぬの。
年端も行かぬ小さなおなごが、お家のためにひたすらに鞠を蹴っておった姿は、いまだ忘れられぬ。 …瀬名の命乞いに乗り込んできたとき、徳政を覆しに来た時、そなたがわが娘であればと、ずっと思うておりました」

あれほど強い女であった寿桂尼が、これほど涙もろくなってしまったのか、と直虎は複雑な心境だった。


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ぽろぽろと涙をこぼしながら、寿桂尼は直虎の手を取った。

寿桂尼「どうか、わが亡き後も今川を見捨てないでおくれ。そなたの才覚をもって太守様を支えてほしいのじゃ」
直虎「…ご安心くださりませ」

複雑な心境のまま、直虎は手を握り返した。

館に戻った直虎は、すぐに政次と話をした。
直虎「大方様は、縁のある方一人一人にお別れをしておられるそうじゃ」
政次「最後のお務めとお思いなのでしょうな。…今川の家臣や国衆の多くは、先代や先々代に受けた恩義がございます。大方様と会うことは、それを思い出すことになりましょう。少しでも、離反を食い止めようとしておられるのでしょう」

直虎「…それでも、われらは寝返るのじゃの。すべての恩を忘れ」
政次「…井伊のお家を守るためです」
 

その頃、寿桂尼はある帳面を氏真に見せていた。
今川に縁のある者の名がずらりと並んでいる。
その半数近くの名に「×」印がついている。
井伊直虎の頁にも「×」がついていた。

氏真「何ゆえに信用できぬとされたのですか。あのなごはお気に入りかと思うておりました」
寿桂尼「あれは、家を守るということは、きれいごとだけでは達せられぬと言うたのじゃ」

重厚で力強い声で言った。

寿桂尼「いつも、われが己を許すために己に吐いておる言葉じゃ。恐らく同じようなことを常日頃思うておるのであろう。われに似たおなごは、衰えた主家に義理立てなど決してせぬ…」
氏真「では、井伊については筋書きどおりに」

寿桂尼は頷いた。
 

南渓が直虎のもとを訪れた。
今川家が上杉家と結ぶ策を講じているという噂を、直虎と政次の前で話した。

南渓「使いの僧たちが行き交っておるようでな」

両家が繋がれば、武田の三方を囲い込むことができる。もちろん、上杉家と武田家は犬猿の仲だ。

南渓「武田はずいぶんと苦しくはなろうの」
直虎「では、このまま動かぬかもしれぬのですか」
南渓「…徳川の出方一つかもしれぬな」

武田家の頼みは織田家と、その下にいる徳川家だ。家康が考えを変えれば、信玄は戦ができなくなるかもしれない。
南渓はそう語った。

直虎「徳川にそう働きかければよいのではないのか」

直虎はそう呟くと、政次に対してこう言った。

直虎「徳川が武田と組まねば、戦にはならぬのかもしれぬのじゃろう? ならば徳川に、上杉と結び、武田を囲い込むが上策と進言すればよいのではないのか」
政次「おやめくださいませ。さようなことがもし今川の知るところとなれば、何を言われるか」
直虎「井伊は戦を避けるのではなかったのか。これとて、戦を避けることに変わりあるまい!」

直虎の正論に、政次は言い返すことができなかった。

 
井伊が動き始めたその頃、駿府では「×」を付けられた内通者の粛清が始まっていた。

 
[次回] 第29話のあらすじとネタバレ!「女たちの挽歌」

 

 
大河ドラマのノベライズ版はこちら。

 

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