おんな城主直虎 第23話のあらすじとネタバレ!「盗賊は二度仏を盗む」

[2/3ページ]

しばらくして、直之が明るい顔をして戻ってきた。
直之「さすがは盗賊上がり。異変を察し、一足先に逃げたようにございます」

直虎は、安堵と同時にかすかな寂しさを感じていた。

南渓和尚(小林薫)がとある提案を直虎に持ってきた。
近藤の菩提寺に、本尊の代わりになるものを寄進したらどうか、ということだ。

直虎「何ゆえ、寄進などせねばならぬのですか」
南渓「あの者たちがご本尊を盗んだのであろう?」
直虎「盗んでおりませぬ!」
南渓「近藤側の咎人でもあった者を勝手に裁いたわけじゃし、ご本尊を贈り、そのあたりうやむやにの。…頭を下げるのも当主の役目じゃぞ」

直虎にしてみれば、不本意だ。
南渓に連れられて、しぶしぶ寺に向かった。

事前に知らせてあった様子で、近藤も同席していた。

近藤「ご本尊がたやすく取り替えが利くなどとは思うていただきとうはござりませぬがな」
南渓「それはもう、承知いたしております。ちなみに、こちらのご本尊はどなたが」
寺の和尚「康久仏師作のお釈迦様にてございまする」

南渓「僧らは、さぞ心を痛めておりましょうな」
近藤「あの賊めらをさっさとご処罰いただければ、かようなことにもなりませんなんだものを」

近藤が皮肉を込めて言った。
直虎はくやしさをこらえて声を発した。

直虎「われが至らぬばかりに、騒動を引き起こした。まことにすまなかった」

直虎はそう言うと、深々と頭を下げた。
近藤「お顔をお上げくださいませ。それがしは、お分かりいただければそれで」

南渓が何かを思いついたように和尚を見た。
南渓「そうじゃ、ご本尊が祭られておったところを拝見したい。大きさを測っておきたいのじゃ」

和尚に先導されて、直虎たちは本堂に向かった。
厨子の扉を開くと、消えたはずの本尊が鎮座しているではないか。

南渓「はて、本尊はおらぬようになられたのでは?」
和尚「いや、その。お、おかしゅうございますな」
近藤「こ、これは本尊ではない。別のものを置かせたのであろう。そう言うておられたではないか!」

和尚は慌てて調子を合わせる。
和尚「あっ、今朝! 代わりのご本尊をお納めしてございまする」

直虎にも、この一件の背景が見え始めていた。
南渓は、仏像の背に彫られた康久仏師の銘を皆に見えるように持ち上げた。

南渓「ご本尊様が己で戻ってこられたのでございますな。思うに、これは仏の御心ではござりませぬか。わしは戻ってきたのであるから、もう、ここらで納めよと。すべてお見通しだぞと」

寺からの帰り道に、南渓は思いもよらぬ話を始めた。
昨日の夜に、突然龍雲丸が南渓のもとに忍んで来たのだという。
そして、今日の一連のご本尊の策を考えたのも龍雲丸だというのだ。

本尊は動かすのも畏れ多いはず。実際には盗まれていないのなら、本堂にそのまま鎮座しているはずだ。
しかし、南渓が寺を訪れるとなれば、さすがにどこかへ隠すだろう。

そう考えた龍雲丸は、本尊が移動される様子をこっそり見張っていた。
そして、和尚が直虎たちと話をしている間に、隠していた本尊を盗み出し、元通り厨子に戻したのだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました