1月29日放送のおんな城主 直虎
第4話「女子にこそあれ次郎法師」の詳細なあらすじです。
ネタバレ注意!
おんな城主 直虎 第4話「女子にこそあれ次郎法師」あらすじ
とわたちは井伊谷に戻ってきた。
直平(前田吟)は直盛(杉本哲太)に説得されて、鶴丸を小野の屋敷に戻した。
とわの出家が本領安堵の条件になっているので、すぐに還俗(げんぞく)させるのは難しい。
とはいえ、井伊谷には平穏な日々が戻ってくると思われた。
そんなある日、南渓(小林薫)がとわを龍潭寺に引き取りたいと言い出した。
在家で尼の暮らしをすることは、おとわには退屈なのではないかと南渓は言う。
当のとわはというと、今頃になって出家することに抵抗していた。
「だって、出家したら亀と一緒になれぬではないですか」
直盛はあきれた。
覚悟の上での決断ではなかったのか…。
千賀(財前直見)がおとわの手を取って語りかけた。
「母はあなたを誇りに思っています。己の身を挺して井伊を救うなぞ、誰にでもできることではない。とわは、まさに三国一の姫!」
母に褒められるなど、滅多にないことだ。
とわはあっけなく丸め込まれてしまった。
心穏やかでないのは、井伊の人質になるという恥辱を味わった鶴丸だった。
鶴丸は、父の政直(吹越満)に願い出た。
「これ以上、井伊の目の仇にされるようなことは、どうかおやめくださいませ」
政直は、自分も困っていると言ってため息をついた。
「あらぬ疑いばかりかけられて、根も葉もないことで恨まれ…どうしたらええものか」
薄ら笑いを浮かべながら呟いた。
鶴丸は、嫌悪感と不信感を募らせていた。
井伊の居館で得度式が行われた。
南渓の手で、とわの短い髪がきれいに剃り上げられていく。
僧衣をまとったとわに向かって、南渓が宣言した。
「これよりそなたの名を次郎法師とする」
次郎とは、井伊の家督を継ぐ者の幼名だ。直盛の幼名も次郎だった。
男の名は抵抗があるか、と南渓が尋ねた。
「いえ、われが本物の次郎であったら、亀もあのような目に遭わずにすんだのではないかと」
場の空気が重くなった。
とわは顔を上げて、できるだけ明るいで言った。
「とわは立派な次郎法師になりまする!」
禅寺への入門は、とわにとって訳の分からないものだった。
挨拶に出向いたとわに、南渓はこう問いかけた。
「お主はここに何しに来た」
「家の事情で出家せねばならなくなり…」
「ほう、出家とはなんぞや」
「お坊様になることですか?」
「僧とはなんぞや?」
龍潭寺での生活様式も混乱の連続だった。
寝泊まりは皆と同部屋。
食事、掃除、畑仕事といった日常の作務のすべては修行。
下っ端のとわは、質問も口答えも許されなかった。
持ったこともない鍬を手にして、見よう見まねで農作業するしかなかった。
くたくたになって戻った僧たちに出される昼食は質素なもの。
しかも、僧たちは自分に与えられた米から何粒かを取り分けているのだ。
とわがあ然としていると、昊天(小松和重)が囁いた。
「あれは施餓鬼。餓鬼道に落ちた衆生に施すのは、僧の務めです」
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とわはたった1日で音を上げて館に逃げ帰った。
「出家したその日に戻ってくるなど、辛抱が足りないにもほどがあります!」
千賀が叱責した。
あんな生活は無理だと、とわは言い返すが、
本領安堵と引き換えなのだから、戻ってきては困ると千賀は譲らない。
母が心を鬼にして話しているとわかってはいるが、
「こんな家、出ていってやるわ!」
と言って、館を飛び出してしまった。
昊天は、なぜとわを在家ではなく寺で引き取ったのか不思議だった。
南渓に尋ねると、
「10歳そこそこで今川の下知をひっくり返した子じゃぞ。ご初代様のような”ただならぬ子”と思うたのじゃ。少なくとも蝶よ花よと育てるものではないのではないか」
と答えた。
とわは禅僧見習いの日々を続けていた。
ある日、南渓がとわに声をかけた。
腹が減っているならもらいにいけばよいのではないかと。
「さようなことをしていいのですか?」
南渓が托鉢だと伝えると、とわは托鉢の心得も聞かず、鉢を手にして寺を飛び出した。
とはいえ、托鉢は簡単なものではなかった。
食べ物屋に近づいても追い払われ、どこにいっても邪魔者扱いされた。
畑で盗み食いしていると、通りかかった鶴丸に見つかってしまった。
惨めな姿を見られたとわは、耐えきれず泣き出した。
「出家などもう嫌じゃ!」
「妻とならずとも、僧として竜宮小僧をすればどうじゃ。寺には城を助ける役目もある。妻としてよりも、僧としてのほうが亀を助けられることは多いくらいではないのか?」
竜宮小僧は、困っている人を助けてくれる。同じように、役に立つ僧になればいいのか…
とわは鶴丸に感謝の言葉をかけて、先ほどの食べ物屋に向かった。
腰を痛めた店の主人が、水桶で水を汲めずにいたのを思い出した。
とわは気付かれないように水を汲んだ。
水桶が満たされていることに気付いた店主が驚いていると、とわが様子を伺っているのに気付いて声をかけた。
「われはただのガキではない。竜宮小僧じゃ」
店主は大笑いしながら
「食べなさい、うまいにぃ!」
と言って、とわの鉢に煮物を盛ってくれた。
とわは貪り食べた。涙が出るほど美味しい食べ物だと感じた。
その後も修行の毎日が続いた。
農作業に加えて、座禅や禅問答、仏典の読書も許されるようになった。
考えを改めたとわは、乾いた砂が水を吸うがごとくそれらを吸収していった。
その一方で、竜宮小僧として人を助けることも忘れていなかった。
亀之丞の帰りを一途に待ち続けたとわ改め次郎は、19歳の春を迎えていた。