おんな城主直虎第1話のあらすじとネタバレ!「井伊谷の少女」

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その頃、井伊の居館に直盛、直満、政直、左馬助が顔をそろえていた。
左馬助が駿府に出向いてとわと亀之丞の婚約の件を今川家に知らせにいったところ、直満が挨拶に出向くよう言われたのだという。
翌日、直満は左馬助とともに駿府へ向かった。

とわは亀之丞、鶴丸と一緒に竜宮小僧を探し回っていた。
森の中を探索していると、ぽっかりと口を開けた洞窟を見つけた。

3人はおそるおそる洞窟の奥に進んでいった。
すると突然とわが立ち止まり、何かを思いついたかのように声をあげた。
「井戸の子とは、竜宮小僧だったのではないか?」

急に何を言い出すのかと鶴丸が顔をしかめると、
「竜宮小僧は淵に住んでいると聞いたから、井戸の中に放り込まれても息ができたのではないか」
とわが主張すると、少し離れたところで亀之丞が声にならない声を出した。

2人もあわてて視線を送ると、山伏の格好をした人が血まみれで倒れていた。
3人は顔を見合わせると、同時に叫び声を上げて一目散に洞窟から逃げ出した。

3人は龍潭寺に逃げ帰ると、南渓と直盛に声をかけ、洞窟に案内した。
倒れている山伏を見つけると、南渓はお経を唱え、直盛は手を合わせた。

南渓は死体を調べ始めると、すぐに厳しい顔になって直盛と何やら話し始めた。
すると亀之丞が口を開いた。
「この者を先日屋敷で見た覚えがあります」

直盛と南渓は先に戻ると言って急いで帰っていった。とわたち3人もすぐに後を追った。
井伊の居館に戻ると、亀之丞の父・直満が駿府で落命したという知らせが届いた。
謀反をたくらんだと疑われ、太守様に討たれたのだという。
直盛は非常に険しい表情になった。

うなだれた左馬助が口を開いた。
「太守様は、北条宛ての直満様の密書を手にしておられました。今川と手を切り、北条に加勢したいとかかれておりました」

亀之丞が館で男を見たのが事実なら、直満の密書を受け取って届けるためなのか?
北条に届ける道中で襲われた?
だとすると、密書を奪わせたのは誰なのか……。

直満の死で井伊家内は騒然となった。
川名の里で隠居している直満の父・直平も井伊の居館に駆け付けた。

「小野か?直満を売った下郎は小野かと聞いておる!」
直平が声を荒げた。
「じじ様、今は時がございませぬ」
直盛が声を押し殺して言った。
続けて左馬助が、実は別の下知も受けていると語った。

姿を消した亀之丞を探すために、とわは日が暮れたあとも走り回っていた。
月明かりの下で、亀之丞が寺の井戸端に座っているのを見つけ、ほっとした。
「亀!どこへ行ったのかと探したぞ」
そう言って亀之丞の手をとると、熱を帯びているのを感じた。

亀之丞は手を振り払うと
「長く生きられない体、放っておいてくれ!鶴のように頭が良くはなく、おとわのように体が動くわけでもない…井伊の血を引いているだけで、ただの出来損ないではないか」
とわは亀之丞の頬を張っていた。
「われの夫は出来損ないではない!」
とわを見つめた亀之丞は、涙を流していた。

「このまま体が強くならないようなら、われが亀の手足となる。亀の代わりに馬に乗り、村々を回る。いざとなれば戦にも行ってやる」
「おとわは俺の竜宮小僧になってくれるのか」
とわは泣きながら何度もうなずいた。

そのとき、亀之丞が人の気配を感じた。
「おとわ、逃げろ!」
その直後、男の腕が首に巻きつき、とわの記憶はそこまでだった。

とわが気付いたときには布団の中にいた。枕元には千賀が座っている。
「亀は!」
と叫ぶと、
「父上があるところへ逃しました」
と千賀が言った。

龍潭寺でとわと亀之丞を襲ったのは、直盛に命じられた傑山だと告げられた。
千賀はさらに続けた。
「亀の首を差し出すようにと、今川から下知があったのです。下知に背き、逃したことが知られたら、今川に攻め込まれて、父上や私もあなたも打ち首になる。だから、この話は忘れなさい」
とわの頭の中は真っ白になった。

その夜、一睡もできなかったとわは、夜が明けると龍潭寺へ向かった。
涸れ井戸に向かって手を合わせ、一心不乱に祈り続けた。
「ご初代様…亀の無事を、井伊の無事を…」

[次回] 第2話のあらすじとネタバレ!「崖っぷちの姫」

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