大河ドラマ「西郷どん」の序盤で薩摩藩を揺るがす一大事件「お由羅騒動」が勃発し、西郷隆盛(吉之助)の父・吉兵衛の奉公先にあたる日置島津家でも
そして、この出来事は西郷隆盛の生涯に大きな影響を与えたと伝えられているのです。
そんな赤山靭負の人物像をその時代背景を交えて解説します。
目次
島津斉彬を担いだ赤山靱負とは?
薩摩藩では島津家御一門(4家)から藩主を出す決まりがあり、また
赤山靭負の実家・日置島津家はその一所持にあたり、靭負の兄・
しかし、久徴とは異母兄弟であったため、母の身分の違いにより靭負は生まれたのが早かったにもかかわらず次男として扱われ、赤山家に預けられて赤山靱負を名乗ることになったのです。
そんな赤山靱負ですが武術と学問に秀でた人物だったらしく、1846年には
赤山靱負とお由羅騒動
1849年1月に薩摩藩の重鎮・調所広郷が、江戸城に呼び出されて清との密貿易を老中・安倍正弘に厳しく
薩摩藩内では、島津斉彬が在藩の協力者から情報を得て老中に密告したとの噂が立ちます。
その密告者粛正のために、藩主・
赤山靭負は、軍役方掛として職務上の上司にあたる斉彬に薩摩の情勢を伝えただけなのに、1850年4月15日に密告の罪で切腹を申し渡され自害したのです。
日置島津家と西郷隆盛の関係
\西郷どん放送まであと4日!/
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では、西郷隆盛(吉之助)と赤山靭負とはどんな繋がりがあったのでしょうか?
林真理子の原作小説「西郷どん」では、以下のような記載があります。
「父・吉兵衛が赤山家の経理の手伝いに出向いていた」
「父と一緒に、何度か赤山のところへ行った」
「吉之助は赤山靱負に剣の教えを受けていた」
「赤山は吉之助を大層可愛がってくれた」
「赤山靱負は、吉之助をひと晩中離さず、藩の未来についてあれこれ語ってくれた」
しかし史実では、赤山靱負と西郷吉之助の直接の関係は記録には残されてはいません。
赤山靱負が切腹した時、介錯にあたった父・吉兵衛が遺品の血染めの肌着を貰いうけ、吉之助にこの肌着を与えたことが、伝えられているだけです。
ただし、吉之助の母・満佐の実家が日置島津家に仕える家柄だったことから、幼いころから接触があり5歳年上の赤山靱負を兄貴分として尊敬していたとは考えられます。
また、父・吉兵衛の話を通じて尊敬する人物と教えられていたとも推測されます。
その辺りを全部考慮に入れた形で、中園ミホが脚本を書いたドラマ「西郷どん」では、赤山靱負は薩摩の郷中教育の指導者として登場します。吉之助と島津斉彬との出会いを作ったのも赤山靱負ということになっているようです。
大河ドラマ「西郷どん」で描かれる赤山靱負
赤山靱負の切腹の介錯は誰がしたという話題については今でも諸説あるようです。剣豪家の加藤新平に頼んだという説もあり、林真理子の原作小説でも介錯人を待つ間のエピソードも書かれています。
当時、介錯にも作法があったようでその道の専門家もいたようです。
父・吉兵衛は武士と云っても経理を担当する役人でしたので、介錯ではなく立ち合いと後の処理などを受け持ったというところが事実だったのかも知れません。
ドラマではそこをどのように描くのかも見どころの1つです。
赤山靱負の切腹が西郷隆盛に与えた影響とは?
西郷隆盛が受けた最も大きな影響は、不条理に対する義憤です。
生涯の中で、西郷隆盛は様々な不条理に出くわしますが、中でも、赤山靱負の切腹は、堅く役人として生き、どんな不条理にも口を閉ざしてきた父・吉兵衛が「赤山さまはどんなに悔しかったことじゃろか」と思わず漏らしたほどむごい沙汰だったのです。
その結果、西郷吉之助は生涯、その原因となったお由良とその子・島津久光を嫌い続けるのです。2度も罪人として島流しの目に合っても、久光の命には従いません。
その執念深さと云ったら例えようがないほどです。
最終的に、西郷隆盛は討幕の後、新政府の陸軍大将・近衛都督に就きますが、征韓論で下野し武士の身分を剥奪され失業した薩摩士族に押され、西南戦争を始めたのも不条理に対する義憤からでした。
まとめ
「西郷どん」では第1話から郷中教育の先生として活躍していた赤山靱負。
そんな赤山靱負という人物が薩摩の郷中教育の優秀な指導者で、後の西郷隆盛や大久保利通らに武士としての心得や生き方を教えたことは、記録には残らずとも維新の快傑の心に刻まれたことは間違いありません。
\大河ドラマ「西郷どん」放送60日前!/
桜島どーん! みーんな、赤山先生が大好きじゃ。
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