シャッターアートという言葉をご存知でしょうか?
商店などのシャッターをキャンバスに見立てて、絵を描くアート作品のことです。
少しずつ普及しつつあり、日本各地いたる所で見ることができるようになってきました。そんな中、シャッターアートで盛り上がっている街があるという噂を耳にしました。それは埼玉県の春日部市とのこと。
このエントリでは、春日部のシャッターアート事情を探ってみたいと思います。
春日部のシャッターアート
春日部市には旧五街道の日光街道が通っており、日本橋から4番目の宿場である『粕壁宿』があった街です。そんな宿場町の景観を再生し、面影を楽しんでもらう目的で、2011年に『かすかべ景観再生プロジェクト』が始まりました。その一環で、粕壁宿の歴史や時代背景を再現したシャッターアートを街道沿いの店舗に描くようになりました。
粕壁宿とその周辺で見られるシャッターアートをご紹介します。
写楽の役者絵
和菓子店 江戸助
江戸助という店名にちなんで、写楽の役者絵を採用。看板商品の花餅を手に持ち、桜の木の枝を口に咥えています。レトロな絵柄が老舗の和菓子屋さんのイメージにぴったりマッチしていますね。
喜多川歌麿の美人画
創作惣菜店 Bien -びあん-
フランス料理の創作惣菜店ビストロです。繊細な料理というイメージを喜多川歌麿の美人画に託しました。『ビードロを吹く女』に箸を持たせて、料理店であることをアピールしています。
葛飾北斎の富嶽三十六景
印刷デザイン ぷらすエム
印刷デザインの会社にちなんで、版画の絵師と摺師のイメージでしょうか。二人が葛飾北斎の富嶽三十六景を刷っている様子を描いています。会社の業務内容を江戸時代の職人の姿で再現している素晴らしい作品ですね。
火消しの浮世絵
春日部消防団 第2分団
江戸時代の粋な火消しの浮世絵です。纏には第2分団の『弐』が入っています。背景のくすんだ赤が渋いですね。
朝顔売り
大崎生花店
江戸時代は数種類の花を天秤棒で担いで売り歩いていたそうです。 初夏の風物詩である朝顔売りを描いています。まさに当時のお花屋さんですね。
寺子屋
紅雲堂書店
老舗の書店にちなんで、寺子屋をテーマにした作品です。間口の広さを活かした構図が面白いですね。
法被姿の浮世絵
お祭り洋品店 田中屋
作業服とお祭り用品のお店です。祭りの法被姿の浮世絵を描いた迫力満点な作品です。自販機の配置が惜しいですね。
いけばな
生け花・茶道 玉富
いけばなを楽しんでいる風景を描いた作品です。お店の雰囲気に合わせて落ち着いた作品ですね。和歌も書かれています。
たんす職人
たんす工房 山田桐箪笥製作所
なんと、こちらは天明2年(1782年)から続く老舗。指物師の山田長松という方が創業したそうです。江戸時代の箪笥職人の作業風景を忠実に再現した作品です。ダイナミックな構図に引き寄せられますね。
畳職人
早川畳店
江戸時代の畳職人の作業風景を再現した作品です。夏の暑い時期は、作品のように裸同然の姿で働く職人がよく見られたそうです。シンプルな構図が逆に目を引きますね。
神輿
仲町みこし倉
お神輿を収納している蔵です。国内でも珍しい『入母屋造り総四方ちどり屋根』の神輿が収納されています。独特の神輿を忠実に再現した作品です。
坂本龍馬の写真撮影
クロサワカメラ
写真店にちなんで、日本で最初に写真を撮った人物の一人とも言われる坂本龍馬と、当時の『ダゲレオタイプ』の写真機を描いた作品です。レトロなフォントがカワイイですね。
薬種屋
カネコ薬局
江戸時代から続く老舗薬局です。描かれている『痰咳之妙薬』は江戸時代より伝わる看板商品とのこと。店内には実物も飾ってあります。
染物店
染のやまとや
染め職人が創業し、現在では着物の仕立てやお手入れを行っている店舗。『洗い張り』をしている女性たちの姿を描いた作品です。このお店にピッタリの図案ですね。
理容店
渡辺理容店
明治時代から続いている理容店です。創業当時の店内の様子を再現した作品です。この当時から青・白・赤のサインポールがあったんですね。