4月24日放送の真田丸 第16話『表裏』の詳細なあらすじです。
ネタバレ注意!
あらすじ
信繁は秀吉の覚えがめでたく、何かにつけて呼び出されるようになった。
そんなある日、景勝が突然、越後に戻った。信繁には、取り残された理由が分からない。
「わしが、今度徳川と真田が戦になったとき、真田に味方するのはやめろと言ったからでは」
秀吉が言い、ニヤニヤして信繁を見ている。
茫然とする信繁に、三成が命じた。
「今日よりそなたを、殿下の馬廻衆に加える」
信繁は突如、秀吉の家来となった。
馬廻衆の筆頭は平野長泰で、信繁が採用されたのは、茶々に色目を使っていた権三が井戸に落ちて亡くなったからだという。長泰が声を潜めた。
「でもな、本当は殺されたんだ」
手を下したのは秀吉の子飼いの武将・加藤清正で、秀吉の勘気に触れて権三は消されたらしい。
茶々には近寄らないほうがいい、という長泰の警告を、信繁は肝に銘じた。
信繁は、早速、大広間で開かれている秀吉のための展示会に駆り出された。展示会には屏風、珊瑚、着物、装飾品など、利休が堺の商人たちにえりすぐらせた品々がずらりと並んでいる。
秀吉は帯の棚で足を止め、秀次に目利きをさせて2本の帯を選んだ。そのうちの1本を手に、秀吉は妻・寧の部屋に向かった。
「どうじゃ、立派な帯であろう」
「殿下からの頂き物です。大事にしまっておきなさい」
寧に手渡され、恭しく受け取った侍女を見て信繁が動転した。きりだった。びわの籠を届けたのをきっかけに、寧に仕えることになったという。そればかりか、いつの間にか秀次と親しげになっていた。
秀吉には、寧の機嫌をとりたい理由があった。まもなく九州攻めが始まる。秀吉に従った大名は、その妻子を人質として大坂に送ることになる。寧にその世話を引き受けてもらわなくてはならない。
「お前しかおらん」と大役を寧に押しつけると、秀吉はさっと部屋を出ていった。
「どうじゃ、立派な帯だろう」
秀吉が差し出した帯を、茶々はうれしそうに受け取ると、部屋の隅に控えている信繁のところまで見せに来た。
「すてきでしょ」
信繁はにっこりと笑み、秀吉の不興を買いはしないかとちらっと目をやった。秀吉は、幸せそうに茶々を眺めていた。
信繁が馬廻衆の詰め所にいると、三成が来て、一緒に来るように促した。
「そうそう、これを返しておく。上杉のことはまだ内密じゃ」
三成が懐から手紙を出した。昌幸に急を知らせる信繁の手紙が、三成の手元に留め置かれていた。
「殿下は、徳川に貸しを作っておきたいのだ。真田をそれに使っただけのこと。徳川が本気で真田を攻めようとすれば、殿下がそれを止める。これからの世は、大名は殿下の許しなく戦を仕掛けてはならなくなる。もはや、戦で事を決する世は終わった」
秀吉が天下を取り、戦国の世の仕組みは大きく変わろうとしていた。
家康が本腰を入れて真田攻めに動きだした。
駿府に大軍勢を集めているとの情報が上田にもたらされると、昌幸はじっと考え込んだ。すぐに攻めてこないのは、家康が秀吉の許しを得ようと伺いを立てているからではないか。しかも上野の沼田では、北条とのにらみ合いが続いている。
「われわれは北条と徳川、そして羽柴まで敵に回したということですか」
信幸が青くなった。さらに盟約を結んでいる上杉は、秀吉には逆らえずに援軍を断ってきた。真田は、秀吉と結ぶ時機を逸してしまったのかもしれない。
大坂の秀吉のもとに、家康から真田攻めの許しを求める書状が届いた。秀吉はいまひとつ家康の真意が計れず、信繁の見立てを聞いた。
「やつは本気でわしに服従を誓ったのか。それともこれは、何かの罠か」
「本心ではないと思います。殿下に許しを請えば、そうなれば、殿下が真田側につくことはありません。すべては、真田に勝つための算段」
信繁が身を乗り出して語ると、秀吉は一理あると認め、傍らにいる秀長も同調した。
「家康に一杯食わされるところであったわい」
秀吉が徳川の策に乗らなかったことに、信繁は安堵した。
信繁が馬廻衆の詰め所に戻っていると、且元がやって来た。
「殿下は、家康の真田討伐をお認めになられたよ」
徳川が全軍をもって攻めかかれば、真田は滅びてしまうだろう。信繁は愕然とした。
(続き:第17話)
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