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大河ドラマ 真田丸 第11話『祝言』あらすじとネタバレ

3月20日放送の真田丸 第11話『祝言』の詳細なあらすじです。
ネタバレ注意!

あらすじ

家康が浜松城まで正武を呼び出したのは、海士淵に築いている城について、真田からどんな説明を受けたのか忌憚のない話を聞き出すためだ。
「……徳川様が、われた小県衆と手を携えて上杉を抑えるための城と」
正武が答えると、家康が証文を出した。
「安房守と交わした証文じゃ。海士淵の城を預かるは、真田のみ。室賀殿の名もほかの小県衆の名も、どこにも書かれてはおらぬわ」
正武は差し出された証文を読み返し、騙されたと知って、はらわたが煮えくり返った。
「真田安房守にまんまとやられましたな。お主もわしも」

家康は、正武の怒りを増長させて出ていった。代わりに正信が、家康の意志として、昌幸を亡き者にし、正武が小県の惣代になるよう持ちかけた。
正武が苦悩の表情を浮かべて帰るのを、物陰から信尹がじっと見ていた。

側室と祝言

武家における婚姻は家と家との結び付きが大事で、身分の低い梅は正室になれずに側室となる。
「側室とは、祝言など挙げないものだが、私はあえて、きちんとやろうと思っている」
信繁の心遣いが、梅は嬉しくてたまらない。
信繁の頭を悩ませているのが、京の公家から嫁した母・薫の承諾をどうやって取り付けるかだ。

翌日、信繁はまず昌幸と信幸に、梅と夫婦になりたいと打ち明けた。二人とも心から喜び、祝言についても二つ返事で了承された。

もっとも、内記ときりの落胆は大きかった。婚姻ばかりか、梅は赤子まで宿しているのだ。

懸念していたとおり、薫は大反対した。信繁は薫に承知してほしくて、つい小細工をした。佐助を使い、あぶった香りを嗅ぐと心地よくなる南蛮渡来の油を部屋に仕掛けたのだ。香りの効果が現れ、薫が柔和な顔つきになってきたころを見計らって、信繁が部屋に行き、梅を嫁にする承諾を得ようとした。ところが、あと少しというときに小細工が発覚し、かえって薫の気持ちをかたくなにしてしまった。

信繁が困っているのを見かね、昌幸が任せろと胸をたたいて薫の説得に乗り出した。
「お前の目にかなった相手は、ゆっくり探せばよいではないか。そして改めて正室に迎えようぞ」
昌幸が懇懇と諭すと、薫は自分の気持ちに折り合いをつけ、つと目を上げて昌幸をただした。
「……祝言は、やるんですか。私は出ませんから」
「おかしなことを申すな。阿梅は側室になるのだぞ。祝言などやるわけないではないか」
昌幸は、薫の表情を見て否定した。ここが薫を納得させる落としどころだ。さりとて信繁への後ろめたさがあり、あとの始末を信幸に押しつけた。

やむをえず、信幸が作兵衛の家に行き、信繁に祝言が挙げられなくなったと伝えた。薫が折れ、昌幸は薫の面目を立てた。信幸もここで妥協すべきだと思うが、信繁は話が違うと納得できない。
「母上と話してくる!」
「やめてください。そんなことで、お方様と源次郎様がもめてほしくないんです!」
梅が懇願した。祝言などしなくても、信繁と夫婦になれるだけで幸せだった。

策士

数日後、上田平に築かれていた城が完成した。上田城である。敵を寄せ付けない堅固な造りで、以後、真田の拠点となる。

正武が、落成の祝いに駆けつけた。
「これは誰のための城じゃ」
「もちろん、われら国衆のため」
正武は本心を探ろうとし、昌幸は気取られまいとし、どちらも目を揺るがせずに見つめ合った。

昌幸は、正武に不信を抱いている。信尹の知らせでは、家康から浜松城に呼び出され、密談が交わされた節がある。もし、正武に何もやましいことがなければ、浜松での話をするはずだ。昌幸、昌相、信幸らでそれとなく確かめることになり、信幸が苦肉の策で浜松のうなぎを話題にした。
「浜松など、ここ十年、行ったことがない」
正武は明らかに動揺し、そそくさと帰ってしまった。やはり、家康と何かたくらんでいるのだろう。

正武は再び浜松城を訪れ、正信と会った。
「やはりわしにはできませぬ」
「それは弱りましたな。あるじに、室賀殿が進んで安房守暗殺を買って出たと伝えましたところ、いたくお喜びでございました」
徳川が後ろ盾になると約束し、暗殺者を二人、正武の助勢に付けると言う。正武はいつしか徳川に縛られていた。

正武がまたも浜松城を訪れたのを知り、昌幸、信幸、昌相、内記が額を集めた。一体、何がねらいなのか。真田の座を奪うにしても、今の正武が戦を仕掛けても勝ちはない。となると、別の手を使う。昌相の目が鋭くなった。
「暗殺」
さしずめ家康にたきつけられたのだろうが、正武が命を奪いに来るなら、真田は逆襲に転じるしかない。その判断を、慎重にしなくてはならない。

ところで、この場に信繁はいない。梅が上田城に引っ越してきて、あれこれ仕切っている。昌幸がひらめき、昌相が察してうなずいた。
「源次郎に祝言を挙げさせ、正武に案内状を送りつける。ヤツもよい機会と食いついてこよう」
「祝言の席を、血で汚すおつもりですか。父上!」
信幸がたまらず唱えた。
だが昌幸は、正武が命をねらいに来るのか否かを見極めるためだと、信幸の反対を押し切った。

信幸は重い気持ちを引きずって信繁に会い、昌幸の気が変わったとだけ伝えた。
「源次郎の初めての婚儀、ごく近しい者だけへの披露目として、やはり祝言を挙げさせたい、と仰せだ」
祝いの席を隠れみのにどんな陰謀をくわだてているかなど、事が済むまでは信繁の耳に入れたくない。

祝言

祝言の日となった。梅が支度をしている間、きりは落ち着かず、源次郎に要らない世話を焼こうとする。梅は黙っていられなくなり、きりを別室にいざなった。
「源次郎様は私の旦那様になられたんです」
梅は意地悪で言ったのではない。何かせずにはいられない、きりの気持ちが分かるのだ。
「きりちゃんは、今もあの人のことが好きだから」
きりは図星を指され、ぷいっと出ていった。

信繁と梅は固めの杯を交わし、そののち、大広間にてお披露目の宴が催された。近親者のほか、客人として正武が列席している。

酒宴がたけなわになったころ、昌幸が碁石を打つしぐさをして正武を誘った。
「久しぶりに、やらんか」
「わしに勝ったことがないではないか」
囲碁では正武が強いが、このところ昌幸は片ときも碁盤を離さず、それなりに腕を上げている。

昌幸は、正武と連れ立って居室に入った。
同じ時分、正武の家臣という名目で別の一室に待機していた刺客が、昌相の手にかかり絶命した。

昌幸と正武の対局が始まった。信幸は次の間に控え、昌相と内記は隠れ部屋に入って、のぞき窓から昌幸と正武に目を配っている。

大広間では、酒宴がにぎやかに続いている。梅がふと目をやると、きりが廊下でぽつんとしている。
「きりちゃん、こっちに来て」
梅が声をかけた。だが、きりは気持ちがこじれたのか、背を向けて立ち去り、別の廊下に座り込んだ。昌幸の居室のすぐ近くだった。

暗殺

昌幸と正武の囲碁が佳境を迎えた。
「隙をついてわしを殺し、徳川からこの城をもらうつもりであったか」
昌幸が言い、次の一手を打った。刺客は始末し、隠し部屋に手勢も控えている。
「お主の負けじゃ。わしの家来になれ。さすれば、許す」

昌幸と正武は幼なじみで、似たような人生を歩んできた。正武の前にはいつも昌幸がいたが、正武は昌幸に劣っていると思ったことはない。
「わしの勝ちじゃ」
正武は、最後の一手を打って立ち上がった。
「……お主の家来にはならぬ」
正武が腰をかがめ、隠し持っていた小刀をつかんだ刹那、昌相が飛び出してきてその背中を刺した。深手を負い立ち上がった正武を、信幸が正面から斬りつけ、内記が背後からばっさりと斬った。

きりは突然、目の前で起きた刃傷沙汰に茫然とし、我に返って悲鳴を上げながら駆けだした。

大広間では、作兵衛が祝い酒に酔いつぶれている。そこに、きりが蒼白な顔で来て、信繁を引っ張っていく。ただならない様子に、梅もあとを追った。三人で昌幸の居室に駆けつけると、息絶えた正武の横で、昌幸が碁盤を凝視している。異様な光景だ。昌相はあたかも信繁たちに宣言するように、昌幸に報告した。
「室賀正武、徳川家康にそそのかされ、殿を暗殺せんと参ったところ、返り討ちにいたしました」
昌幸が「ご苦労」とひと言ねぎらった。

信繁がつぶやいた。
「……読めました。それで祝言を」

きりは、泣きながら信繁を責めた。
「あなたたち、いいのそれで!?お梅ちゃんが……」

昌幸が顔を上げた。
「わしが命じたのだ。真田が大名になるためには、室賀がいては困るのだ!……すべては真田のためじゃ!」

夜が更けたころ、信繁と信幸は、本丸の櫓に並んで月を見上げた。
「父上は、また見事に成し遂げられましたね」
信繁は祝言を利用された怒りより、昌幸の策を見抜けなかった未熟さが悔しい。それと同時に、そんな感じ方をする自分が好きになれない。
「あのとき、お梅のために、怒り、泣いたのは、私ではなかった」
「悩め、源次郎。そうやって前にすすんでいくしかないのだ、今のわれらは」
信幸が、優しく信繁の肩を抱いた。

(続き:第12話

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