真田丸の隠しテーマは?三谷幸喜が語る最強武将ナレーションの役割

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真田丸の脚本家 三谷幸喜

敗者の代表として
最後まで前向きに生きた信繁を書く

大河ドラマ『真田丸』の脚本を担当している三谷幸喜さんがロングインタビューに答えています。

三谷さんはどんな視点で真田丸を描いていこうとしているのか。隠しテーマやナレーションの役割など、熱心な視聴者が気になるポイントについて語ってくれています。

目次

「真田丸」脚本の裏話

“幸村”ではなく”信繁”とした思い

2004年の大河ドラマ『新選組!』で近藤勇を描き、今回の『真田丸』では真田信繁を描かせていただくことになりました。大好きな2人を、大河ドラマの歴史の中で自分が担当できるというのは、大きな喜びです。特に真田信繁は、とっくに大河ドラマをやっていてもおかしくない人物。よくぞ僕が書くまで待っていてくれたと思います。NHKさん、ありがとうございます。

この2人に共通しているのは、「敗者」であること。時代を作った人よりも、時代から取り残された人たちの人生に、僕は興味があります。この世の中は、何かを成し遂げられずに人生を全うする人のほうが圧倒的に多いわけですから、そういう人たちの代表として、彼らを描きたい。

物語作家としては、敗れていった人たちのほうがよりドラマチックに書けるということもあります。信繁は、人生のクライマックスが死ぬ直前に来る。まだ書いてもいないのに、こんなことを言うのもなんですが、かなり最終回は盛り上がるはずです。

しかも信繁は、人生の大半が明らかになっていない。それも書きたいと思った理由の一つです。分からないところを想像で埋めていける楽しさ。

とはいえ、突拍子もないことを書くつもりはありません。『新選組!』のときも、荒唐無稽だというご批判を受けました。僕自身はそんなふうには思ってなかったし、実際、できるだけ史実に近い形で描き、記録が残っていない部分だけ、想像力を膨らませたつもりでした。ところが、僕自身が世間に持たれているイメージが、邪魔をするんですね。僕が書くものはすべてふざけていると思われがち。確かにふだんは喜劇専門ですが、あれだって別にふざけて書いているわけではないんですが。

今回も、可能なかぎり史実に近いものを書こうと思っています。主人公の名前を、『真田十勇士』で広く知られている”幸村”ではなく”信繁”としたのも、だからこそ。僕一人の意志で決まったことではありませんが、自分としては、信繁という名前に、講談の幸村とは別の、真実の人生を描くんだという、決意表明を込めたつもりです。

ただ分かっていない部分は、今回も思いっきり想像でつないでいますよ。懲りないヤツだって思われてもしかたない。だってそのほうがおもしろいから。

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