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真田丸 本多忠勝の娘・小松姫は逞しい良妻賢母?吉田羊が語る役作り

徳川の姫が真田色に染まる、
そのさまを人間らしく

出典:sakaguchisaketen.naganoblog.jp

真田信幸の正室となる稲(小松姫)。甲冑姿で薙刀を持っている姿で描かれていることが多いため、やんちゃで逞しいイメージをお持ちの方が多いかと思います。

ここでは、三谷幸喜さんが描くキャラクター像を紐解き、吉田羊さんが語った役作りのポイントを探ってみたいと思います。

稲(小松姫)とは?

徳川家の重臣・本多忠勝の長女。徳川家と真田家が和解したあと、真田信幸の正室となる。政略結婚ではあったが、信幸と信頼関係を育み、跡継ぎにも恵まれる。

のちに『関ヶ原の戦い』で、父と弟が敵軍となりつらい立場となった信幸を気丈に支え、昌幸と信繁が九度山に幽閉された際は縁者として援助しつづけた。生涯賢婦人としてたたえられ、乱世のさなか信幸が真田家十万石の礎を築けたのは、小松姫の内助の功によるところが大きいとされる。

吉田羊が語る役作りの秘密

大河ドラマの出演は3回目です。過去2回は短い出番だったので、長く演じられる役で戻ってきたいと夢見ていました。

小松姫は願ってもない役で、しかも、脚本は三谷幸喜さん。役者の個性に合わせてセリフを書いてくださる方なので、その脚本は、「期待してますよ」という役者に対するいわば宿題だと思っています。私は三谷さん作・演出の舞台に何度か出演経験がありますが、その手の宿題は大好き(笑)。今回は1年をかけて取り組めますし、堺雅人さんはじめ、夫に大泉洋さん、父に藤岡弘、さん、とそうそうたる共演陣。皆さんの力も借りて答えを探していけたらと思います。

小松姫は和製ジャンヌ・ダルクとでも言いましょうか、みなさんは小松姫というと、まず強い女性という印象を持たれるようで、気の強いイメージが私と重なるようです(笑)。それは『関ヶ原の戦い』の直前、昌幸が敵だからという理由で、彼女が武装して義父の前に立ちはだかり、孫に会わせなかったという逸話ゆえであると思うのですが、彼女は夫の信幸が戦から生きて戻ってきたときのために、必死に帰るべき家を守ったんですよね。身内への思いがありながらも、家を守るために意志を貫いたんです。昨今は草食系男子に代表されるように、やわらかいものが良しとされる時代ですが、だからこそ強い小松姫が愛されているような気がしています。

出典:www.oranku-yy.com

『関ヶ原の戦い』の際、徳川方についた信幸の留守を赤い甲冑姿で守ったと伝わっています。小松姫は徳川家の出身だからそうしたのか。私はそうではなく、信幸率いる真田家を守りたいという、ただ一念だったと想像しています。本多忠勝の娘で徳川家の養女ですから、きっと嫁入り当初は相当プライドの高い姫だったでしょう。でも、いつしか信幸と深く愛し合い、真田色に染まっていく。「あの姫が、これほど真田の人間になれるとは」というギャップが大きいほどおもしろいだろうし、そこを人間らしく演じることに醍醐味を感じます。

長野県松代に、小松姫亡きあと、信幸が建てた姫の霊廟があるのですが、それはもう立派な史跡になっていて。真田の徳川に対するパフォーマンスという見方もありますが、私は、信幸の愛を感じました。そして、その信幸役が、大泉洋さん。人を惹き付けるユーモアをたたえた、大泉さんにしかできない信幸像になる予感がしています。『洋・羊コンビ』でドラマを盛り上げていきたいですね。

もちろん今作でも、小松姫の気の強さは顕在なのでしょうが、三谷さんがお書きになる小松姫はそれだけではなく、愛情深いところも描かれるとうかがっています。三谷さんは「羊さんが感じた小松姫でいいです」とおっしゃってくださっているので、目の前にいる信幸さまや父上を相手にしたときの気持ちを大事に、愛情をもって私なりに小松姫を演じていけたらなと思っています。

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