大河ドラマ「おんな城主 直虎」で、井伊家の当主であり、主人公・おとわの父でもある井伊直盛。
心優しい人柄に好感が持たれる一方、戦国時代の当主としては優しすぎる、頼りない、といった視聴者の声が聞かれます。
そんな井伊直盛を演じたのは杉本哲太さん。
そんな杉本哲太さんのプロフィールや経歴を振り返るとともに、杉本哲太さんが語った井伊直盛の役作り秘話をご紹介します。
井伊直盛とは
井伊直平(前田吟)の孫で、井伊家当主。
主人公・井伊直虎の父。
穏やかで優しい性格。強大な今川家支配のもと、その対応をめぐって対立する家中の舵取りに日々苦心する。
男子がいなかったため、いとこの亀之丞(井伊直親)を娘婿に迎えるつもりだったが、亀之丞の父・直満が誅殺されたため、その計画は断たれた。
今川軍に従った「桶狭間の戦い」で命を落とす。
杉本哲太が語る井伊直盛の役作り
大河ドラマ「おんな城主 直虎」で描かれている井伊谷は自然豊かなところです。
そんな大自然の中で暮らしているからなのか、井伊家の人々は心の温かさや人のよさを持っています。
そんな井伊家の人達の人柄について、杉本哲太さんはこのように語っています。
中でも直盛は優しい人間ですね。
祖父の直平は常に今川家に敵意をむき出しにしていますが、父親が討ち死にしたこともあって、剛だけではなく柔も大事だと悟り、その中で生き延びる策を探っているのではないでしょうか。それゆえに優柔不断になり、上からは叩かれ下からは突かれ、胃の痛い思いをしているんですね(苦笑)
直盛が花を生けるシーンには、その葛藤がよく表れている気がします。
男子がいない井伊直盛にとっては、おとわ(井伊直虎)の結婚を重要視していたことは間違いないでしょう。
おとわが跡を継いでくれる相手と結婚してくれるのが一番だと考えていたのではないでしょうか。
亀之丞と鶴丸がその候補であったことは疑う余地もありません。
ところが、思うように事は進まず、おとわは出家してしまいます。
そして、直盛は「桶狭間の戦い」で戦死してしまう。
史実でも、中野直由に井伊家のあとを任せるという遺書を残したといわれています。
きっとまだ子どもたちの世代に任すには心もとないと思ったのでしょう。
そこには井伊家を守ろうとした、優柔不断ではない直盛の強い思いを感じます。
この大河ドラマ「おんな城主 直虎」では、戦の場面は多くありません。
ほとんどのシーンで井伊家の日常が描かれています。
井伊直盛の見せ場をこのように語っています。
普段の直盛とおとわとの会話や、妻の千賀と娘について語っているシーンにこそ直盛の思いは表れていると感じています。
戦国時代の殿様であること以上に、おとわという一人の娘の父親であるという部分を大事に、最後まで演じきるつもりです。