大河ドラマ「おんな城主 直虎」で、
おとわの婚約相手・亀之丞(井伊直親)は笛の名手として描かれています。
子役の藤本哉汰くんが笛を演奏する姿が印象的でしたね。
今後は、三浦春馬さんが笛を演奏するシーンが出てくるのでしょうか?
その時を期待して待ちましょう!
ところで、当時の武将たちは笛を演奏していたのでしょうか?
筆者は、笛のイメージといえば、雅楽の奏者や公家を想像していました。
少し時代を遡って、笛の演奏の由来や、武士の笛の逸話について確認してみましょう。
歴史上の笛の奏者は?
平敦盛
武士と笛の関係は古く、「平家物語」の名場面、平敦盛と熊谷直実の一騎打ちの場面でも、敦盛の「青葉の笛」が登場し、話に彩りを添えています。
源義経
牛若丸こと源義経も、笛の名手として有名です。
弁慶との決闘を前に、五条大橋で笛を吹くシーンを思い浮かべる人も多いでしょう。
源博雅
陰陽師で有名な安倍晴明のパートナーである源博雅も、龍笛の名手として名を馳せています。
映画やテレビドラマの「陰陽師」でも、笛を奏でるシーンが印象的に描かれていますね。
記録
民間でも、豊作を祝う踊りが進化した「田楽」という芸能が浸透していました。
平安時代に書かれた「栄花物語」には、田植えの風景の中に田楽を歌い踊るさまが描かれています。
やがて神社での流鏑馬や相撲などとともに神事の演目に組み入れられるようになります。
室町幕府の奉公衆を務めた伊勢貞仍が、武家奉公人としての心得や教養について著した「宗五大草紙」には、和歌や連歌・弓馬などに加えて、笛・尺八・鼓、太鼓などの楽器についても記されています。
また、イエズス会の宣教師ジョアン・ロドリゲスが記した「日本教会史」にも、武士の教養の一つとして横笛が挙げられています。
戦国時代の笛の逸話は?
織田信長
また、尺八の前身といわれる笛に、「一節切(ひとよぎり)」があります。
小型のために持ち運びが便利で、戦国時代には戦場にも携帯されました。
中でも、織田信長が愛用したと伝えられる「乃可勢(のかぜ)」という笛は、秀吉、徳川家康と天下人に受け継がれ、現代に伝わっています。
乃可勢は長野県諏訪市にある貞松院に現存し、諏訪市の有形文化財に指定されています。
武田信玄
甲斐の名称・武田信玄は、出陣中に病死したという説が一般的ですが、「武徳編年集成」などでは次のような笛にまつわる逸話が伝えられています。
武田軍が三河の野田城を包囲中、笛好きの信玄が夜ごと城内から聞こえてくる美しい笛の音色に耳を傾けていたところ、鉄砲で狙われ、その傷がもとで死亡した、というものです。
笛は貴賎に関わらず人々の身近な存在だったようです。
亀之丞の笛は現存している?
井伊直親が寄進したといわれる「青葉の笛」が、静岡県浜松市にある寺野六所神社に実物(本物)が所蔵されています。
また、複製はいくつか制作され、展示されているようです。
[mappress mapid=”3″]ネットの反応
特別公開で見た龍潭寺にあった笛は、亀之丞の笛で、この様な逸話があったとは知らなかった。
それにしても…殆ど逸話が残っていない井伊直虎の幼少期を、おとわ、亀之丞、鶴松と可愛らしく切ない脚本で…大河ドラマとして画期的で良い。#おんな城主直虎 #井伊直虎— natural wing カフェ (@kUMsQZZRtilexKD) 2017年1月15日
おとわと亀之丞が次に会えるのはかなり先になる。
おとわは笛を亀之丞に渡す。
笛は宝物か。「死ぬなよ」のおとわ。
「もののけ姫」みたい。#おんな城主直虎— mika (@sanada1218ellie) 2017年1月21日
寺野六所神社
亀之丞が寄進したと伝わる「青葉の笛」だが、ここに保管されているとは思えない。 pic.twitter.com/7geQ6ZFMgt— 利仙 (@risen695) 2017年1月16日
亀之丞が笛で、おとわは鼓。二人が心の中で合奏しながら年月が経つのかな、と思ったら鶴丸は能面ぶらさげてたね。三つ合わせると「能」なのか。だとするとこれが意味するのは「悲劇」なんだよね。#おんな城主直虎
— マットハズレー (@hikomaron) 2017年1月15日