大河ドラマ 真田丸 第2話『決断』あらすじとネタバレ

真田の一行は粗末な服を身につけ、顔に泥を塗るなど百姓に変装して、どうにか一夜を無事に過ごした。翌朝、先を急いでいると、どこかの武士の一軍が進んでくる。織田勢かもしれず、信繁たちは道の脇に平伏してやり過ごそうとした。

そのとき、薫の胸元から品のいい扇が落ち、指揮を執っていた武士の目を引いた。
「似合わぬ品じゃの。お主ら、まことに百姓か?」
信幸がそっと懐の短刀に手をやった。
「あれ?八左衛門!」
松が驚いた声を上げた。信茂の家臣・小山田八左衛門だ。
「あなた方をお助けに参ったのです」
とっさに八左衛門は、岩櫃まで警護するという嘘をついた。信茂の命で真田一行を捕らえに来たのだが、信繁たちはまだ信茂の裏切りを知らない。

八左衛門の先導で一行が歩きだすと、信繁はそれとなく信幸に近づき声をひそめて言った。
「気になります。今は、岩殿城の守りを固めるとき。わざわざ小山田様が、われらのために兵を割くとは思えませぬ」

最期

勝頼に最期の時が迫っていた。田野村に、織田家重臣・滝川一益の軍勢が攻め入ったのだ。勝頼に従う兵は、跡部勝資など40人ほどしかいない。勝頼はみずから刀を振るって戦った。
「もはや、これまで」

勝頼は林の中に分け入り、小さな祠の前に座した。ふと見ると、夕暮れの薄明かりに信玄の姿が幻のように浮かび、勝頼をじっと見つめている。
「……今からそちらへ参ります。四郎を、たっぷり叱ってくだされ」

勝頼は吹っ切ったように笑い、見事に自刃して果てた。武田四郎勝頼、享年37。亡夫・信玄を越えることだけを夢見て生きた人生だった。甲斐武田家は、勝頼の死をもって滅亡する。

その夜、昌幸の前に信玄の幻が現れた。信玄はじっと昌幸を見つめ、何も言わずに消えた。その直後、勝頼の様子を探っていた佐助が戻ってきた。
「……悪い知らせか」
昌幸の問いに、佐助がうなずいた。すべてを察した昌幸の目に、悔し涙が浮かんだ。
「御屋形様……わしに何を託された……」
胸騒ぎを覚えた昌幸は、翌早朝、およそ100人の兵を引き連れて岩櫃城を出た。

同じ朝、家康は陣屋にて家臣の石川数正から、勝頼の自刃と、その首が織田信忠に届けられたという報告を受けた。今回の武田攻めにおいて、大いなる功労者が穴山梅雪と言える。その梅雪が目通りを願っていると聞き、家康は顔をしかめた。
「梅雪は好かん。信玄入道の娘婿でありながら、わが身かわいさに武田家を裏切った、薄汚い男だ」
もっとも、梅雪に餌を与え、織田方に引き込んだのは家康自身だ。それだけに、徳川家中からは裏切り者を出してはならないと肝に銘じている。
「徳川家中は一心同体。心配ご無用でございます」
数正がしたり顔をした。

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