おんな城主直虎 第35話のあらすじとネタバレ!「蘇えりし者たち」

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氏真が突飛なことを口にした。

氏真「…大名たちは、蹴鞠で雌雄を決するようにすればよいと思うのじゃ」
家康「は?」
氏真「よいと思わぬか。揉め事があれば、戦の代わりに蹴鞠で勝負を決するのじゃ。さすれば人も死なぬ、馬も死なぬ。兵糧もいらぬ、銭も人もかからぬ」

いかにも大家のお坊ちゃん育ちらしい考えだ。そうだったらどんなにいいか。蹴鞠でなく、囲碁でも同じようなものだ。

家康「…ようございますね」
氏真「ところが、それでも戦になる」

厳しい表情で氏真は続けた。

氏真「蹴鞠のうまい者を巡り、奪い合いが起こり、それが引き金となり…同じことが起こる」

名門の御曹司も、苦労をして成長したようだ。

氏真「なれど、余は戦などちいともおもしろうないゆえな。家臣の手前、引くに引けぬようになっておったが、もうかようなことと付き合いとうもない」

駿府を一日で灰にされ、信頼していた重臣たちの裏切りに遭い、残っているのはわずかな家臣のみ。

氏真「和睦はありがたいぞ、三河守殿…」
家康「…はい、太守様」

せめて家康は敬意を表して頭を下げた。

龍雲丸は順調に回復し、起き上がれるようになっていた。
境内の一角で、直虎は龍雲丸の髪を洗ってやった。

直虎「いっそのこと切ってしまってはどうじゃ」
龍雲丸「やめてくだせえよ。せっかく伸ばしておるのに」

すでに尼削ぎの直虎より長くなっている。

龍雲丸「このあいだの勝ち負けの話でごぜえやすが、実は井伊はさして負けてはおらぬのではないですかね?」

突然そんなことを言い出した。

龍雲丸「家の名や土地はのうなりましたが、皆様生きておられるのだし、民百姓も戦には連れてゆかれねえと聞きやしたし」
直虎「…しかし…但馬を失うてしもうた」

直虎の心の傷は、簡単には癒えていない。
そこに、久しぶりの顔が現れた。

直虎「之の字」
直之「お久しゅうございます」

直之一人を連れ出し、気賀のことは話した。

直之「さような成り行きで…」
直虎「方久もいまや無一文でな」
直之「それとこれは別のような気もしますがの」
直虎「どうじゃ、皆は元気にやっておるか?」
直之「はい。なつ殿と亥之助殿は、但馬の死がかなりこたえておったようですが…今は穏やかな顔をなさっております」
直虎「そうか」
直之「殿も落ち着いておられるようで」
直虎「おかげさまで、今はの」

直之が一通の文を取り出した。

直之「皆様からにございます。もう贅沢はできませぬゆえ、皆で一通に」
直虎「…そうか」

手紙の書き出しは「母上様」で始まっている。高瀬からだ。
質素な生活ながらも、皆が生き生きとした暮らしを送っているようだ。

字が変わり、流れるような美しい字になった。祐椿尼だ。
亥之助と直久は碁を打っているのだが、とにかく進まないという。
一手打っては考え、打ち返しては考え…高瀬が思わず「亀の歩み」と呟いた。
二人は政次に手ほどきを受けた者同士。これは政次と政次が戦っているようなものだ。
その様子を見てなつが泣き崩れた。

最後は、なつの字だ。
これまで触れられなかった政次の話もできるようになったという。
不謹慎だが、但馬の真似なども流行っている。

皆の気持ちが痛いほど伝わり、直虎は泣きながら笑ってしまった。

直虎「なんじゃ、但馬は生きておったのか」
直之「残念ながら、あの二人、そして虎松様の中にも…しぶとく生き続けましょう」
直虎「そうか…そうか…」

一度参らねばならぬな、と思いながら、直虎は涙を拭った。

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