おんな城主直虎 第34話のあらすじとネタバレ!「隠し港の龍雲丸」

[3/5ページ]

龍雲丸は気賀に向かい情報収集をすると、根城に戻った。
そして、皆に荷をまとめるよう指示した。

龍雲丸「戦のにおいがしてきたからな。いつでも逃げ出せるようにしとかねえと」
 

直虎はまだ碁を打ちながら策を考えていた。
昊天や南渓が声を掛けても止まらない。

直虎「考えなしでは、但馬にばかにされますゆえ」

そう言って、碁を続けた。

昊天「次郎、聞きなさい。但馬は──」

真実をはっきり伝えようとした昊天を、南渓が遮った。

南渓「そうじゃそうじゃ。考えねばの。共に考えるか、次郎」

そう言うと、2人は笑いあって碁盤に向かった。

昊天は部屋を出て、先ほどのことを傑山に話した。

傑山「道に迷うた者に、どこにおるか声を上げよと言うても無理な話であろう。和尚様は、共に迷うことで、ゆっくりと手を引いてやろうとされておるのではないのか?」

昊天「分からぬでもないが…果たしてさようなこと、うまくいくのかのぅ」
 

年をまたいで永禄12(1569)年。
武田の駿河への侵攻は続いていた。武田と今川の仲立ちをしていた北条の怒りを買い、北条軍が進軍を始めた。これによって、武田の勢いは失速し、駿府にいる今川軍も息を吹き返していた。

その頃、遠江の掛川城では氏真が立て籠もり、城は持ちこたえていた。今川の重臣たちが寝返る中、掛川城城主の朝比奈泰朝が奮戦していたのである。
浜名湖岸でも、今川の国衆である大沢基胤が宇布見砦を奪還し、徳川軍は苦戦していた。

そんな中、ついに気賀も戦に巻き込まれた。
堀川城に大沢の兵が押し入り、蔵の武器が奪われ、港の船も接収されてしまった。

「今日よりここは大沢の城になる! これよりはわれらと共に徳川と戦え!」

方久は辰と共に逃げ出すことに成功した。
 

堀川城では、大沢の手の者に見つかった百姓や町の男、水夫たちが一箇所に集められた。その中には龍雲党の面々の姿もあった。

「おぬしらの城主は、おぬしらを置いて逃げた。頼みの綱としておる町衆たちも。近く、徳川が攻め込んでくるを恐れてな。おぬしらは見捨てられたのじゃ!」

一同がざわつくと、大沢の手の者が威嚇するように発砲した。

「腹をくくれ! うぬらには、もうあとがないのじゃ!」

力也とゴクウが戸惑っていると、後ろから小さく声がした。

「巻き込まれてどうすんだ。あほらしい」
「頭!」
「俺らぁ逃げてなんぼだろうが」

みずから作った勝手知ったる堀川城、龍雲丸たちは隠し港からこっそり逃げ出そうとしていた。
まず、大沢の家来を吹き矢で眠らせ、船を奪い返した。カジたちがすぐに船を出した。

城のほうを振り返ると、自力で逃げ出した男たちが大沢の兵に見つかり、殴る蹴るの暴行を受けている。
「この命知らずたちめ」

引間城は、徳川の負傷者でごった返していた。

忠勝「浜名の湖岸から、掛川に人を回すことはできませぬのか」
忠次「湖岸は湖岸で苦戦しておる。湖岸の兵を掛川に動かせば、背後を突かれることにもなりかねませぬ」

重臣たちの顔にも焦燥の色が濃い。
そんな軍議の中、家康は碁を打っている。
そこに、着の身着のままの方久が倒れ込んできた。

方久「城を今川方の大沢に乗っ取られてしまいました! どうか気賀を、城を取り戻してくださいませ!」

さらに、気賀の商人・与太夫たちもなだれ込んできた。

与太夫「いらぬ刃を交えるよりはと、こうして急ぎ民を乗せ、徳川様の元に馳せ参じたわけにございます。どうか、われらをお助けくださりませ。気賀に戻れました暁には、船、武具、兵糧など力を尽くし調えますので」

家康が手を止めて言った。

家康「方久、あの城の船着き場は表だけか?」
方久「いえ、実は城の裏側にもございますが」
家康「丑の刻に潮が満ちるのはいつじゃ」
数正「殿、何か妙案が?」
家康「まずは夜陰に紛れ、城の裏に船を着ける。そこで、捕らわれた民をこちらの船に逃げ込ませる。中におる民を引き揚げてしまうのじゃ。さすれば、城内に残るは大沢の者のみになる。落とすのはたやすかろう」

家康の策をすぐに理解した数正が続ける。

数正「そして、その大沢の武将たちの首と引き換えに大沢の降伏を求める」
家康「中村屋とやら、それでは船を借りられるか?」
中村屋「もちろんでございます!」

コメント

タイトルとURLをコピーしました