おんな城主直虎 第32話のあらすじとネタバレ!「復活の火」

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南渓「じかに聞いてはどうじゃ」

そう言って目で庭先へと促した。そこには境内を歩いてくる政次(高橋一生)の姿があった。
聞くと、関口の家来が駿府に引き揚げたのだという。

政次「恐らく、関口は武田に寝返ったのだ」

寝返ったと聞いた直虎は一瞬驚いた。
しかし、すぐに薄情な関口の顔を思い出した。

直虎「小野の家来たちはどう思うておるのじゃ。虎松の首でないことは知っておるのであろう?」
政次「偽首のことは知っている。ただし、それは俺が井伊を乗っ取るためにやったことと思うておる、と思う」

久しぶりに政次と話していると、直虎は何か違和感を感じた。
政次「言葉ではないか?まぁ、殿様気分でも味わおうかと思うてな。つかの間のことであるし」

政次が珍しく冗談を言ったので、直虎もそれに乗った。

直虎「殿、徳川からの書状にございます」

恭しく書状を渡し、政次は急いで目を通す。

政次「こちらは約束どおり、徳川が攻めてきた折に城を開け、臣従を誓えばよいということですか」
直虎「うむ。それで井伊の家はよみがえり、徳川の国衆となることになる」

慣れない言葉遣いは、すぐに元に戻っていた。

直虎「もし、そなたが主の座にとどまりたいというのならば、われはそれで構わぬと思うておる。こたびのことが終われば、今川を欺かずともようなるわけであるし。色々やってはみたが、やはり、われがこの役目に向いておるとも思えぬしな」

政次「よその商人たちに、ぜひうちの領主にと望まれる。潰れるとなれば、何一つ言わぬのに百姓たちが体を張って刃向かってくれる。盗賊たちまでが尼小僧のためならしかたがねぇと一肌脱いでくれる。そんな領主が、この日の本のほかのどこにおられますか」

「政次…」
思わぬ発言に、言葉が詰まる。

政次「私では到底さような芸当はできませぬ。殿には、降りる道などもはや許されませぬ」

直虎の瞳に嬉し涙がにじんだ。

政次「殿の番にございますよ」
直虎「なんじゃ、よう見えぬの」

政次が月明かりのさし込む場所に碁盤を動かした。

直虎「もうじき、陽の光の下で打てるようになるの」

縁側でひなたぼっこをしながら、二人で碁を打つ。庭先には虎松(寺田心)や祐椿尼(財前直見)や六左衛門(田中美央)直之(矢本悠馬)や…皆が笑顔でそこにいる。そんな光景を思い浮かべていた。

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