おんな城主直虎 第29話のあらすじとネタバレ!「女たちの挽歌」

[2/4ページ]

この話に、徳川の家内の意見は割れた。
最終的には武田に従うことになったというのだ。

直虎「…では、戦になるのはもう避けられぬと」
常慶「恐らくは今年のうち、遠江には徳川が攻め入ることになろうかと。井伊はそれでも、今川方として戦うおつもりかと、確かめに参ったしだいにございます」
直虎「それでも? それでも、とは?」
常慶「あの書状は明らかに今川にお味方する者のご意見かと」

直虎「戦そのものを避けたかったというだけじゃ!」
常慶「では、徳川にお味方なさいますか?」

直虎は逡巡したが、もう引き返すことはできないだろう。

直虎「…できれば…さようにと考えておる」
常慶「では人質に、虎松様の母君を頂きとうございます」

直虎はうろたえた。

直虎「お待ちあれ、何ゆえ人質を渡さねばならぬ!」

常慶「書状のことのみならず、井伊は今川から離れぬのではないかとも見られておるのでございます」
直虎「しかし、今川の手前、人質を三河によこすわけにもまいらぬであろう」
常慶「私の実家の松下ではどうかと。ちょうど兄が後添えを探しておりまして。そこに嫁ぐという形ならば、まず目に留まることはないかと」
直虎「虎松には父がおらぬ。このうえ母まで奪えと、そう言うのか!」
常慶「では、お考えくださいませ。また参ります」

直虎の言葉を避けるように、常慶は辞去した。
入れ違いに政次が入ってきた。

政次「勇み足となってしまいましたな」
直虎「あの書状が、かようなことになるとは…」
政次「言いにくければ、私からしの殿(貫地谷しほり)に言いましょうか。太守様より下知が下ったとでも」
直虎「われから言う。せめて罵りくらいは受けねばの。直親は…草葉の陰で怒っておろうな」

 
直虎は、しのに正直に打ち明けた。
しのは大きな溜め息をついてから語った。

しの「要するに、殿が大それたことをおやりになったせいで、私を人質にという話になってしまったということにございますか」
直虎「まこと、もう、どう詫びてよいものやら…」

しのは少々言葉を荒げたが、最後にこう言った。
「虎松には、なんと話せばよろしゅうございますか?」

思わぬ言葉に、直虎はおそるおそる顔を上げた。
直虎「行ってくれるのか?」
しの「こうなれば、致し方ございませんでしょう」

直虎は胸が痛みながらも、同時に安堵の感情が芽生えた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました