おんな城主 直虎 第16話のあらすじとネタバレ!「綿毛の案」

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すると、「噂を流されてはいかがか」
という声が聞こえた。

見やると、なぜか小野政次がそこに立っている。
方久「あの、噂を流すとは?」
政次「目付のお三方が人を貸してくれぬのは、領主にとってうまみがないからだ。だが、この話は百姓にとっては大きなうまみがある。かようによい話はそうそうない」

政次は、直虎の背中をちらっを見ると、
「では」
と言って去っていった。

嘘や噂をわざと流して、敵を欺いたり罠にかけたりする兵法がある、という話をすると、方久は驚いた様子で感心している。

直虎は、政次の知恵など借りたくないと消極的だ。
そのとき、直之はくるりと方久の方を向くと、大声で叫んだ。
直之「知っておるか!井伊ではただで土地をもらえるらしいぞ!」

驚く方久に、お前も芝居をしろと仕草で伝える。
方久「へ!? まことにございますか?」

芝居を続けるにつれ、店中の視線が集まってくる。
直虎は胸の内で葛藤していたが、振り切るように声を出した。

直虎「その瀬戸村とやらへの道はいかになっておる!」
直之「この街道を抜け、山を1つ越えたところでござる」
方久「皆々様、今日はお代は頂きませぬ!その代わり、このことを行く先々で話の種になさってくださるとこれ幸いにございます」

3人は茶屋の外に目を向けた。
多くの人が道を行き交っている。
街道を練り歩きながら、3人は日が暮れるまで猿芝居を続けた。

夕刻になって、3人はようやく館まで帰り着いた。
その直後、直虎はめまいと同時に意識を失い、その場に倒れてしまった。
すぐに、医術の心得がある昊天(小松和重)が呼ばれた。

直之「大事はござらぬか!? なんのご病気じゃ」
昊天「あれは…寝ておるだけです」
呆れ果てたように言った。

翌朝、直虎はすっきりと目を覚ました。
たけ(梅沢昌代)がバタバタとやってきた。
庭先に大勢の人が集まっているというのだ。

六左衛門「噂を聞きつけ、井伊にやって来てくれた者たちです。やりましたな!」
昨日の今日で成果が現れるとは…直之も嬉しそうにやって来た。

その場は2人にまかせ、直虎は龍潭寺の井戸に向かった。
すると、そこに南渓がほろ酔い機嫌でやって来た。

南渓「人も来たというし、大手柄ではないか」
直虎「呼び込んだのは、政次です」
ぶっきらぼうに答えた。

直虎「政次の策は、労少なくして実を結んだ。それは見事なものでした。とてもかないませぬ…」
南渓「足りぬ知恵なら、借りてくればどうじゃ?」
南渓は事もなげに言った。

直虎「え?」
南渓「政次に借りることにしてはどうじゃろ?」
直虎「さようなことをすれば、いつ足をすくわれるか」
南渓「それこそが、領主たる者の腕の見せ所というかの」

直虎は自信なさそうな顔をしたが、それを察した南渓は軽やかな笑顔になった。
南渓「まぁ、急ぐことはない。ゆっくり考えればよい。それはそれとして、そろそろ寺も殿のお役に立ちたいと思うておっての」

虎松の手習いを始めたいと言った。
虎松はもう5歳。直親が手習いを始めたのも同じ頃だ。
直虎「ぜひもなし。よろしゅうお頼み申します」

その夜、直虎は六左衛門の報告を受けていた。
甚兵衛らが百姓たちの面倒を見てくれているという。

六左衛門「これからは人が入るということ、但馬殿にお伝えしてよろしいでしょうか」
直虎「…好きにせよ」
話を通しておくというのが筋というものであろう。

六左衛門は、その足で小野の屋敷を訪ねたが、政次が駿府へ発った直後だった。

政次が駿府の今川館の控えの間で待機しているところに、菅沼忠久が声をかけてきた。
政次「これは菅沼殿。太守様のご機嫌はいかがにございましたか」

忠久は周りを見回すと、声を潜めて言った。
忠久「大方様が倒れられたそうで…内密にされておるようです。一命は取り留められたとのことですが、どうなりますやら」

寿桂尼は70を越えている。いつこの世を去ってもおかしくはない。
それが井伊にどう影響していくのか…政次でさえ、その先を読むことは難しかった。

[次回] 第17話のあらすじとネタバレ!「消された種子島」

 
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