おんな城主 直虎 第16話のあらすじとネタバレ!「綿毛の案」

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翌日、直虎と六左衛門は鈴木重時の元を訪れた。
重時「お知らせくだされば、こちらより出向きますものを」
直虎「こちらからの頼み事、自ら来るのが筋というもの」

鈴木は戸惑っている。

直虎「実は、百姓を少しばかり借り受けたいのじゃ」
重時「どこかで戦でも?」
直虎「いや、さようなことではなくての。土地を耕す百姓が足らぬゆえ、少しばかり融通していただけぬかというご相談じゃ」

戦支度ではないと、六左衛門も重ねて言い添えた。
しかし重時は、難しい顔をしている。

直虎「借りた者たちは、決してむげには扱わぬ。百姓が耕した土地はそのままその百姓のものとするし、実りが出て3年は年貢も取らぬ。土地持ちでない百姓にとってはよい話と思うが」

直虎はかなりの好条件を並べたが、重時は丁重に断った。
重時「合力したいのはやまやまでござるが、当方も人手が足りておりませぬので」
直虎「そこをなんとかお願いできぬか」
重時「申し訳ございませぬ。まこと百姓を貸せるようなゆとりはないのでございます。何とぞご容赦くださいませ」

せめて夕餉(ゆうげ)を供したいと言うと、直虎は快諾した。
直虎は料理を食べながら、ふと漏らした。

直虎「まことなのかのぅ?」
六左衛門「何がにございますか」
直虎「人がおらぬというのは。屋敷の中にも、それなりに人はおるように見えるがのう。但馬の手前もあるし、井伊には合力したくないのかもしれぬの」
六左衛門「あの…但馬様からお願いしていただくという手はございませぬか?」

六左衛門がおそるおそる進言した。
すると、たちまち直虎の顔が曇った。

直虎「あやつの手は借りたくない」

この手の交渉は、政次(高橋一生)が得意であることは分かっている。
だからこそなおさら、政次の手を借りることは、直虎には受け入れがたいことなのだ。

直虎「言うたところで手など貸してもくれぬわ。井伊はこれから但馬抜きでやっていくのじゃ!」
直虎の剣幕に恐れをなし、六左衛門は慌てて料理に手を付けた。

直虎「まぁ、目付は3人おる。別の考えの者もおろう」
六左衛門「え!他家にもお願いに上がるのでございますか?」
直虎「当たり前じゃ!空手で帰るわけにはいかぬであろう」

そのころ、政次はしの(貫地谷しほり)の元を訪れていた。

政次「かような一筆を頂いたにもかかわらず、実はこのたびは…」
しの「そなたの不手際のせいで、これからの井伊はおの女子のやりたい放題ということですね」
政次「今は、待つときかと。あの脇の甘い女子のこと、必ずぼろを出します」
しの「その脇の甘い女子にしてやられたのであろう!?そなたも今川も!」

たしかに、寿桂尼(浅丘ルリ子)としては、百姓たちの嘆願書などはねつけることもできたはずだ。
百姓たちにあれほどの信頼を得た女城主がいかに井伊を治めるか、見てみたくなったのかもしれない。

政次「仰せのとおりにございますが、あまりあちこちに噛みつかれますと、頼りを失いまするぞ」
政次がくぎを刺した。

しのは悔しそうに唇をかんだ。
虎松の生母であっても、直虎の器には遠く及ばない。
しのは、そう理解せざるを得なかった。

政次が屋敷に戻ると、声を掛ける者がいた。
そこにいたのは、新野の屋敷にいるはずのなつと亥之助だ。

なつ「お留守の間に勝手なことをし、申し訳ございませぬ。亥之助を父親の育った家でと思い、新野のお屋敷を下がらせていただきました」

政次は驚き、珍しくまごついた。

なつ「邪魔との仰せであれば、出ていきますが…」
政次「邪魔などではないが、ここに戻ると風当たりもきつかろう」

やじろべえのようにゆらゆらと、井伊家中の橋渡しをする、それが己の役目、先々代の殿・直盛(杉本哲太)から与えられた使命だと、なつは理解している。

政次「これよりはさらにきつくなるかもしれぬ」
しの「では、お役目も励みがいがあるというものでございますね」
にっこりと笑うと、しのは一礼して退室した。

井伊のために覚悟を決めた姿は清々しいものだ。
「似ておらぬ姉妹じゃの」
政次は1人で呟いていた。

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